【特集】2014合同入社式・新入社員研修 新たな生活がスタート!

 今年も各同友会で合同入社式・新入社員研修が行われています。初々しい新入社員が緊張の中、仕事を通した新しい生活の一歩を踏み出しました。

 今回は青森と大阪の合同入社式、埼玉の合同入社式での先輩からの言葉、東京と沖縄の新入社員研修を紹介します。

 広島同友会では広島・福山・呉の3会場に分かれて開催し、74社157名の新入社員(3会場の合計)が合同入社式に参加しました。冒頭、川口護代表理事から新入社員へ期待を込めたあいさつ。広島市長の祝辞の後、二村自動車(株) 岡田祐一氏から先輩社員激励の言葉、新入社員を代表し(株)川口製作所 広元力氏から決意表明がありました。

 その後、(有)おか半代表取締役 岡崎磊造氏が「切り拓け 君の未来!」をテーマに記念講演。岡崎氏はこれまでの自身の人生を振り返りつつ、「自ら目標をつくり、行動しよう」と新入社員へ熱いエールを送りました。

夢かなう舞台に立った新入社員、活躍の場は無限大【大阪同友会】

 大阪同友会は、4月1日、大阪城を見渡すホテルで新入社員合同入社式を開催しました。今回の入社式には、61社から120名の新入社員と86名の会員・幹部社員が参加しました。はじめに、堂上勝己代表理事が、「満開の桜も皆さんを歓迎しています。今日から消費税が上がりますが、昨今の状況は中小企業にとってプラス要因・マイナス要因が交錯しており、われわれは機敏に能動的に変化に対応しなければなりません。同友会の会員企業は、人間尊重の経営を実践して、みなさんが活躍できる舞台をつくっています。大きな夢と目標を持って、自社だけでなく、地域や日本を背負って立つ人材となってください」と開会のあいさつを述べました。

 続いて、関西情報工学院専門学校で進路指導にあたっている大町欣哉教諭が「夢かなう舞台に立った新入社員、活躍の場は無限大」をテーマに記念講演を行いました。

 同教諭は、野球部の監督としても活躍しています。「空気感」ということにふれ、中小企業を訪問すると「さあ頑張ろう」という「空気感に溢れている」と指摘。「中小企業では本気で努力したら必ず成長できるし、経営者もそんな姿をしっかり見ています。若い元気な力で職場の『空気感』を高めてほしい」と期待を述べました。また、自身の体験にもふれて「学校教育の現場では、減点方式で生徒が持っている力量を本当に発揮できない現実があります。これから経営者の皆様には、プラスの加点主義で若者を育ててほしい」と訴えました。短時間でしたが、これからの門出を祝福する感動的な講演となりました。

 入社式の最後は、新入社員歓迎パーティーです。全参加企業から決意表明が行われました。工業高校を卒業し、製造業の企業に入社した女性の新入社員からは、「これから現場で頑張ります」という元気な発言も聞かれ共感が広がりました。

 今回の合同入社式は社員教育部が担当しました。4月8日から、同部による新入社員研修がスタートします。今年度は、2日間の「基礎コース」に160名、半年間の「スキルアップコース」には75名が申し込みをしています。

合同入社式3年目、フレッシュ社員マナー研修で新年度スタート【青森同友会】

 青森同友会は今年で3回目となる合同入社式とフレッシュ社員マナー研修会を1日コースで4月2日に開催しました。

 新入社員を対象としたマナー研修会は青森同友会創立当時から毎年続けていますが、3年前、社員教育を担当している研修共育委員会は中同協の共同求人活動の考え方を学ぼうと宮城同友会で取り組んでいた「就職ガイダンス」や「合同企業説明会」などの共同求人活動に参加し、社員の採用から社員教育(共育)までを企業が責任を持って体系的に取り組む大切さを学び、経営労働委員会体制を新たに発足させました。

 2014年合同入社式は13社から29名のフレッシュ社員(昨年度途中入社の社員も含む)と各社の上司、経営者14名が参加して開催されました。

 当日はマスコミ各社が取材に訪れるなか、大坂憲一代表理事から「会社の希望の星である皆さんには、人材として早く成長してほしい」と祝辞。(株)青北建設代表取締役附田久志氏(理事)による「社会人の心構え」の講話の後、新入社員を代表して(有)オクト八木橋優斗さんが「これまで関わってくれた多くの人々に支えられて、今、この場にいます。これからは社会人・職業人として一人前になれるよう自ら考え、自ら努力して知識と知恵を身につけ、精一杯、力を発揮していきたいと思います」と新入社員を代表しての決意表明を行いました。

 合同入社式の後はビジネスマナーを学ぶ研修会が行われ、参加した社員は社会人としての決意を新たにした1日となりました。

結束を深め学びあう【沖縄同友会】

 4月2~3日の1泊2日、ユインチホテル南城にて「2014年合同入社式・新入社員研修会」が29社105名の新入社員と付添者45名の合計150名の参加で開催されました。

 合同入社式では、沖縄県大学就職指導研究協議会・会長の松本剛氏と沖縄県専修学校各種学校協会・副会長の呉屋良昭氏より来賓祝辞があり、各社の辞令交付が行われました。その後、(株)赤マルソウの宮國貴弥さんと(株)沖縄メディコの上里真央さんから新入社員を代表して決意表明がありました。

 引き続き、新入社員研修会が開催されました。最初の講義は、「社会人の心構え」のテーマで東亜運輸(株)・社長で代表理事の稲嶺有晃氏より中小企業の役割や「時間を守り・場を清め・礼を正す」という言葉のプレゼントがありました。

 その後の、「ビジネスマナー」では、オフィス・キャリエールの小那覇りな氏より社会人にとって必要な名刺交換やあいさつ、電話対応など実践を踏まえて行なわれました。

 「コミュニケーションゲーム」は実行委員長で(株)琉球補聴器・社長の森山賢氏を講師にゲームを通して積極性やコミュニケーションの大切さを学びました。

 その後、グループ討論・発表が行なわれました。討論の途中で「しーん」となる時もありましたが、今年の新入社員は、その場合でも積極的に打破しようとする姿勢が垣間見られました。

 1日目の研修会終了後は、翌日の研修会後の交流会の打ち合わせが行われ、各グループ結束力を深めました。

 翌日はラジオ体操からスタートし、「先輩からの体験報告」では、(株)沖縄エジソンに入社して9年目の具志堅道明さんとNPO法人ライフサポートてだこに入社して4年目の外間さよさんがこれまでの失敗談と乗り越えてきた経験を話し、仲間の大切さなど強調しました。

 ビデオ「人間だもの」は1987年に作製されたもので、職場の雰囲気など現在とは大きく違う点がありますが、時代を越えても大切なものが描かれており、正しい答えを出すのではなく、自分の意見を発表し、他人のいろいろな考え方を受け止めることをグループ討論を通じて学びました。

 修了式では、各グループで代表が決意表明を行い、実行委員長より修了書を授与して研修会が終了。その後は、楽しい交流会で幕を閉じました。

 5月からは、今回の新入社員も対象にした新人フォローアップ研修会がスタートします。

働くことは生きること~新入社員研修を終えて~【東京同友会】

東京中小企業家同友会事務局 佐藤裕太

 4月2~4日の3日間、群馬県にある磯部ガーデンにて、東京同友会主催の「2014年新入社員研修」が「働くことは生きること~共に築く社会人としての幸せとは~」というテーマを掲げ、開催されました。総参加人数は226名。私は、新入社員の1人として研修に参加しました。行きのバスの中、私は「本当に自分が社会人になれるのか」と自問自答を繰り返していました。現地に着いたら早速、これから3日間を共にする面々との顔合わせから研修がスタートしました。

 1日目の講義は、働くことの意味や仕事の進め方について学びました。「社会人は(お金を)払う側から貰う側になること」との言葉が印象的でした。また、あいさつや「ほう・れん・そう」といった基本中の基本を徹底的に行うことが、新入社員にこそ必要だと気づきました。各講義の後に、グループ討論も行われました。慣れないながらも、自分の意見を発言、他のメンバーに質問し、論議する、といった経験はとても貴重なものでした。

 2日目は、3会場に分かれて、ビジネスマナー研修が行われ、お辞儀の仕方、名刺交換など、ロールプレイングを通し、実践形式で学びました。頭で分かっていても、実際にやると難しく感じました。助言者や他のメンバーのアドバイスをいただき、体へ刻み込むように練習し、夜には、新入社員が役員に、感謝の気持ちを伝える懇親会を行いました。

 3日目は、先輩の方々のメッセージから始まりました。自らの失敗談を基にしたアドバイスは、明日から実践しなくてはと思うものばかりでした。また最終講義では、仕事における幸せ感=やりがいの重要性がテーマでした。講義後のグループ討論でも、仕事のやりがいについて、熱のこもった議論になりました。今回の研修テーマの意味が、ようやく理解できました。

 今回の研修で一番学んだことは、基本を徹底して行っていくことと、失敗を恐れず挑戦し続けることでした。それが唯一、一人前の社会人への近道だと感じ、行きのバスの中での不安はなくなっていました。この経験を自らのフィールドで存分に活(い)かし、私の社会人としての幸せを見つけていきたいです。

合同入社式 新入社員へのメッセージ 【埼玉同友会】

渡部容器(株) 営業部 滝澤 学氏

 皆さん、この度はご入社おめでとうございます。私は入社して1年が経ちました。去年の自分はどんなことを思い、そして1年間仕事を通してどんなことを学んできたかを思い出しながら話したいと思います。

 会社に入社してからは、わからないことばかりだと思います。私も最初の頃はわからないことばかりで、どうしたらいいのか、誰に聞いたら良いのか、わかりませんでした。

 しかし、心配しないで下さい。皆さん方には先輩という強い味方がいます。質問が恥ずかしくても聞いてみてください。1年間はどんな些細なことでも質問し、わからないことを1つでも多く無くすように心がけてください。

 社会にでると1度目の失敗は許されます、しかし、同じ失敗を繰り返していてはいけません。失敗をしてしまったときには後悔より「次になにをするべきか」が問われてきます。失敗をした場合は早めの対応、お客様の身になり下準備を整えて行動することを心がけてください。

 会社に入ると学生のときとは全く違う生活スタイルになり、人間関係も変わってきます。学生の時は苦手な人や嫌いな人とは付き合わなければ特に問題は無かったかもしれませんが、社会人になるとそうはいきません。苦手と感じてもお付き合いをしていかなければなりません。私はどんな人に対しても何か共通の話題を見つけるようにしています。お客様の興味のあるものや趣味などを調べて、自分の意見を組み込み話しています。そうしてだんだんと仲良くなっていけばいいと思います。

 入社して、辛いことはたくさんありました。しかし、それ以上に楽しいこともあります。これから人との出会いや研修、会社の飲み会など新しい体験が増えてきます。ひとつひとつに真面目に取り組み、仕事へのやりがいを見つけてください。そうすれば、仕事自体も辛いものではなく、楽しいものになってきます。

 これからは新社会人として頑張ってください。

「中小企業家しんぶん」 2014年 4月 15日号より