【エネルギーシフトに挑戦!】第8回 廃材をアートに 資源循環の「すてきなお嬢さん」

 省エネ・資源の再利用などエネルギーシフトの展開が全国で進められています。

 石川県七尾市で産業廃棄物の中間処理業を営む家村静江氏((株)家村商店代表取締役、石川同友会会員、TEL:0767―53―1912)が、持ち込まれる廃材を使って新たな物は作れないかと思いついたのが生け花の花材でした。

 同社に搬入された木くずは破砕機にかけられ、燃料用チップや製紙用チップとして売却されます。

 七尾城址遊歩道は同社のウッドチップが使われており歩きやすく森林浴を楽しめると好評を得ています。また、家村氏は1967年に池坊いけばな教授を取得、家村翠静として華道教室も行っています。

 廃材を薄い板状に剥離させ煮沸して曲げ加工する工法を生み出し、産廃と華道をコラボレーションして薄剥板花材・R積層経木(サリー)を作りました。

 これは2013年度「いしかわエコ・リサイクル製品」に認定され、サリーを使った「すてきなお嬢さん」(写真)が「いしかわエコ・デザイン賞」資源循環賞を受賞しました。いしかわエコデザイン賞2013公開プレゼンテーションでは、廃材のアート化を披露しました。

 本業で使わない間伐材や端材を生け花の飾りに使おうと考え試行錯誤を積み、スギやヒノキなどの木材を薄くして重ねた薄剥板花材・R積層経木(サリー)は、オブジェ「すてきな源氏物語絵巻」(2014年1月発表)にも使われ、観客を魅了しました。納得いくまで創る家村氏の信条が輝きます。

「中小企業家しんぶん」 2014年 5月 25日号より