社員を巻き込んで研修会~社員共育研修会【山口】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】 45

 各同友会の実践事例を紹介する本企画。今回は社長と社員が共に参加する山口同友会の社員共育研修会の内容について、参加者の声を交えながら紹介します。

山口同友会

 新入社員共育は、4月2日の合同入社式と社会人としてのマナー研修。「非常に大切な儀式でした。新卒社員を迎えた良い思い出に、新入社員の心構えが違ってくると思います」(アンケートより)。半年後にはフォローアップ研修。半年を振り返り、できていること、できていないことに気付き、明日からの職務に展望が持てる内容で行なっています。どちらも、会員が講師を務め、グループ討論を行ない、引率者は助言的な発言はしないこととしています。

 次に、今年度第1回目(7月24日夜間に開催)の社員共育研修会の内容を紹介します。

 会員企業(家具雑貨小売業)の社員さんから「パート社員はなぜ会社の社員共育に取り組むようになったか」のテーマで問題提起。

 彼女の話は、大手の進出で自社存続の不安、スタッフの会社に対する悩みや疑問を聞く悶々とした日々、社長から「経営指針書」を初めて示されました。その時の印象を、頭をパカッと開けて「さあ どうぞ」といった感じだったと表現。精神論ではなく、とても科学的(未来へのビジョン、経営哲学、現状分析、目標数値、社員に何を求めているか)、この経営指針書をもっと活(い)かす方法はないか、会社のルールを分かりやすくしたい。自分自身も社員と一緒に成長していきたいという思いで、経営指針書を中心とした人を活かす仕組みづくりを提案。この1年間取り組んできた、就業規則ガイドブックの作成。採用から退職までの育成システムの構築。見えない仕事を見える化し、効率化を目指す業務手順書の作成。以上の3つの取り組みを紹介。その後、グループ討論、各グループから出た質問に対して、社員さんと社長(会員)が応答、補足説明を行いました。

 出席した会員の声。「社員のやりたいことは多いが、いいよと言ってくれた社長、それに対して思いっきりやりまくったパート。理由は経営指針書を分かりやすく伝えるというのが、期限、内容と明確にされているのがすごく参考になりました」。

山口同友会専務理事 岡野 公紀

「中小企業家しんぶん」 2014年 11月 5日号より