地域の経営者ネットワークに働きかけた新支部づくり【千葉】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】48

千葉同友会

 千葉同友会は、2011年は15支部で会員数は約1000名でしたが、現在は20支部に増え1200名を超えています。

 2011年から組織構想を論議し、支部がない空白地域である千葉県東南部の房総方面を中心に新支部づくりに取り組みはじめました。新支部づくりを含めた増強活動が進められています。

地域の中に飛び込む

 千葉同友会の新支部づくりの特徴は、30名前後で構成される新支部の会員のほぼ100%が新会員ということです。これは、まだ同友会に触れたことのない地域の経営者をより積極的に同友会に迎えいれていこうとするものです。

 地域には、大なり小なりのさまざまな経営者間のネットワークや諸団体があり、経営をさらに強化したいという要求があります。その要求と明確な理念と目的を持つ同友会が結びつくことで同友会が広がっています。

 新支部設立の準備段階では、会外の経営者から「こんなに経営について気さくに話せる会は他にはない」と言われます。同友会運動を広げていくといった観点は必要ですが、あまり固くならずに地域の中に飛び込んでいくことも必要です。

 また、観光が盛んな地域では「東日本大震災以降、観光客が少なくなった。何とか地域を盛り上げていきたい」といった切実な地元の経営者の話を聞き、改めて増強の意義を肌身を持って感じる機会になっています。

会社の成長と増強

 既存の支部では3カ月を1つの区切りにし、1期ごとに経過報告会を開催。成果が顕著な支部を表彰し、機運をつくっています。それから、約1週間ごとに「仲間づくり速報」を役員に配信し、定期的に会員数や細かな各支部等での増強の動きを共有しています。

 また、退会防止にむけて経営指針委員会を皮切りに6つの専門委員会が持ち回りで新会員オリエンテーションを開催し、委員会との接点づくりに努めています。

 「入会を勧めるときに一番大事なのは、自社がどれだけ成長できたかを示すことだ」という意見が出されています。会社を成長させるために、経営指針の実践として共同求人、社員教育などに足を踏み出す会員が増えてきています。

 いま千葉同友会では足腰の強い増強活動にむけ歩み出しています。

「中小企業家しんぶん」 2015年 2月 15日号より