中小企業憲章の理念に沿った政策展開を~新年交礼会で北川・中小企業庁長官が講演【岩手】

北川中小企業庁長官

 岩手同友会の新年交礼会は1月21日、ホテル東日本盛岡において中小企業庁長官の北川慎介氏、中同協から幹事長の広浜泰久氏((株)ヒロハマ代表取締役会長)を迎え、150名の参加で行われました。

 はじめにあいさつに立った田村滿代表理事は、「今年7月には中同協の全国総会が岩手で行われます。ぜひともゴーゴーゴーの555名の会勢を実現し全国の皆様をお迎えしよう」と決意表明。また岩手県商工労働観光部長の橋本良隆氏は、「岩手同友会は資源の域内循環を目ざしたエネルギーシフトの実践に積極的に取り組まれている」と激励、期待を込めてあいさつしました。

 第一部で講演に立った北川慎介中小企業庁長官は冒頭、「中小企業憲章の中心には、中小企業が大事であると明確に示してあります。そしてどんな問題も中小企業の立場で考えていく、と書いてあります。今各地でつくられている中小企業振興基本条例も、この憲章がもとになっています」と話し、現在岩手で制定が目前になっている中小企業振興条例の大きな後押しとなりました。

 施策面でも国の次年度の中小企業関連の予算や新たに企業が活用できる制度をふんだんに紹介。国全体が中小企業の新たな取り組みを全面的に応援する雰囲気が伝わる講演でした。

 また第2部で講演した広浜氏は、今回の新年交礼会に行政や金融機関、商工会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体中央会など関係団体から45名も参加していることに触れ、岩手同友会がもっともっと力を付けて、地域の期待に応えられる同友会にならなければ、とエールを送りました。講演でも自身の経営指針の実践を社員との関わりから時間を追って体験を紐解き、その率直な言葉に、それぞれが自分に置きかえて考える機会となりました。

 参加者の感想では「国がここまで中小企業のことを思って施策を講じていることを知らなかった。私たちの味方であり応援団であり、私たち自身がより効果的に活用していくことが必要だと思った」「私たち中小企業の成長=国の成長、という実感ができた。あらためて自社の成長発展が、社会的意義のあることであると思った」との新たな発見が述べられました。

 また、広浜氏の講演からは、「よい仕事がしたいなら、自分でその環境をつくる。具体的な数字でものを言う癖をつける」「社員の潜在意識に浸透するまで待つことでかなう。能力を最大限に発揮させるにはお互いの素晴らしさをわかりあうこと。経営指針とは、そこまで時間をかけて取り組まなければならないことを痛感した」など、実践の継続の重みを感じた講演となりました。

 中小企業の地域での存在をあらためて確認する機会となり、7月の中同協定時総会へ向けて他団体や行政機関など地域全体で共に考え一歩を踏み出すことができた新年交礼会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2015年 2月 15日号より