ポスターで同友会をアピール 信頼というブランド力の構築【長崎】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】 50

白山陶器(株) 代表取締役社長松尾 慶一氏(長崎同友会代表理事)

 各同友会の実践事例を紹介する本シリーズ。今回は2月20日の中同協広報委員会で行われた長崎同友会松尾慶一代表理事の報告概要を紹介します。

長崎同友会ポスター

 全国の行事に参加すると各同友会のさまざまな活動に刺激を受けていましたが、なかなか地元に帰ってその思いを伝えることができませんでした。私が代表理事になったとき会員数320名が1年後に297名にまで落ち込み、最優先課題が会員増強になりました。

 会員増強への取り組みにあたり、まずは自らが同友会の会員だという帰属意識を持ってほしいと、2014年の「活動の手引き」に10年ぶりの会員名簿手帳を付帯しました。

 さらに、「長崎県中小企業家同友会 会員之章」ステッカーを作成し、社内の見えるところに張ってもらうことにしました。このことで、会員がお互いを知ることはもちろん、会外の方からも同友会の認知度が高まりました。次に昨年度から「増強デー」を年4回に増やし、本年度は「増強ウィーク」に改善し小グループに分かれて全員で取り組みました。しかし、長崎オリジナル紙芝居を駆使しても同友会への理解がなかなか進みません。

 そこで、沖縄同友会の活動からヒントを得てポスターを作成し、県内すべての金融機関に張ってもらうようにお願いしましたところ快く引き受けていただきました。そこから金融機関の信頼が高まり、日本政策金融公庫・商工中金と事業連携の覚書締結にまでいたりました。

 同友会のポスターが会社に張ってあり、いつもお世話になっている金融機関にも張られ、さらに5年10年と継続していけば、社員さんやその家族に「うちの会社の社長はこんな活動をしている」と信頼してもらえるのではないでしょうか?

 信頼というブランド力の構築は、一朝一夕にできるものではありません。同友会が信用・信頼のおける会員の集まりだと認識・評価してもらえるように継続していかなければなりません。ポスターは毎年デザインを改善し金融機関に交換に出向こうと私は考えています。

 また逆に、同友会として責任と義務も発生します。会員一人ひとりの社会的な信用を無くさず、なおかつ企業の継続発展が必要になります。現在は少しずつ実績が出てきて、会員の意識も高まってきました。やる気が増えることは仲間を増やすことにもつながります。今後も各方面の信頼構築に向けて励みたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2015年 3月 15日号より