九州の食EXPO 中小企業が学び、磨き、儲ける機会を創出

中小企業206社が出展、1万1000人が来場

九州の食EXPO

 中小企業の販路拡大を支援する展示会などを対象とした全国商工会連合会の補助金を活用した「九州の食EXPO 2015」(主催:同実行委員会、後援:九州各県の中小企業家同友会など)が、3月20~21日に北九州市小倉北区の西日本総合展示場で開催されました。

 九州全県の農水産業従事者や食品加工業者など九州の中小企業を中心に206社が出展し、1万1000人以上が来場しました。

 「九州の食EXPO」の目標は、「学び、磨き、儲ける」。商談会の目的は販路の拡大ですが、商談会に出れば自動的に販路が与えられるのではありません。バイヤーに対して、自分の商品をアピールし、その価値と魅力を語り、理解してもらえなければ販路は開かれないのです。また、商品そのものを磨き、価値を上げることも重要です。そこで、九州の食EXPO実行委員会では、展示会の前の「学び、磨く」機会として、出展社を対象とした勉強会やセミナーなどを開催してきました。

 商談会勉強会というのがそれで、百貨店のバイヤー経験者など支援専門家や出展経験のある事業者の講義、商品企画書作りワークショップ、商品企画書の発表と質疑を行うグループディスカッションなどで構成されます。他社の商品企画を聞き、自社の商品企画を発表し、他の出展社からの意見や質問を聞く機会は、自社の商品を改めて客観的に見る機会としてとても有意義でした。

 説得力ある商品企画書には魅力的な商品の写真が不可欠ですが、そのために開講した「プロカメラマンが指導する素人がスマホでも撮れる商品写真の撮り方セミナー」も好評でした。

 こうした準備を経て開催された「九州の食EXPO」の初日の展示商談会にはおよそ850人のバイヤーが参加し、206社の出展者と商談を行いました。商談継続の約束やサンプル商品の納入など今後につながるマッチングが500件を超えました。

 2日目の展示販売会にはおよそ1万人の一般消費者が来場しました。商談会の翌日に販売会を行うのは九州の食EXPOの特徴ですが、九州全県の良質な商品が1カ所で買えるということで好評です。販売会での売り上げは700万円を超えました。

 九州の食EXPO実行委員会では、今後もEXPOを開催していく計画ですが、これらの学びの機会は、今後も充実させて行きたいと考えています。

 最後に、九州の食EXPOの開催に当たっては、九州各県の中小企業家同友会にご後援いただき、多くの同友会会員にご出展、ご来場いただきました。ありがとうございました。

一般社団法人九州の食理事 若林 宗男(福岡同友会)

「中小企業家しんぶん」 2015年 4月 15日号より