自分の感動や体験を語って、仲間を広げる 「会員拡大プロジェクト」北海道同友会オホーツク支部

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】54

 北海道の東部、北見、網走、知床に広がるオホーツク支部(海田有1支部長)は、2014年度の会員伸長率が全道平均の3%を大きく上回る12・5%と全道1になり、北海道新聞にも大きく取り上げられました。

 同支部は1982年の設立。86名だった会員は1987年には302名に増えますが、2013年1月には、193名まで減少します。「しっかり活動しているのになぜ…」。役員の悩みは募る一方でした。「もう1度、原点に戻って仲間を集めよう」と立ち上がったのは、熱心に学び続けてきた会員でした。同友会で学ぶ意義や会員を増やす意義を議論し、そこから目標と期限を設定した「会員拡大プロジェクト」が立ち上がります。お願いして入ってもらうのではなく、自らの同友会活動での感動や経験を語り、一緒に学び合いましょうと楽しく気軽に声を掛けることを確認しました。

 声掛けの輪が広がるにつれ、2012年度末に210名、2013年度末が240名、そして、2014年度末には270名へと会勢は目標通りに回復。今年度は、過去最高会勢を乗り越える「303名」を目標とするプロジェクトが力強く展開されています。

 並行して取り組んだのは、中小企業経営者の経営課題把握を目的とする「アンケートプロジェクト」。最初に行ったアンケート用紙による1次調査では、会員企業の7割近くから回答を得ることができました。その結果、「人材確保」「競争力の強化」が地域企業の重要課題として浮かび上がり、さらに86社を訪問してヒアリングによる2次調査も行いました。

 会員拡大プロジェクト活動の取り組みが発端となり、これまで停滞気味だった4つの地区会(紋別、網走、美幌、斜里)も見事に復活を遂げました。農業水産部会を発展的に改組した「うまいるオホーツク」という部会が誕生し、「青年部・北昴輝学舎(ほっこうきがくしゃ)」では会員増の動きが止まりません。

 オホーツク支部は新潟県の面積を上回る広範囲な支部ですが、「地域を元気にしたい」という熱い郷土愛をベースに、共学と連携の輪がたくましく育ちつつあります。

北海道オホーツク支部

「中小企業家しんぶん」 2015年 7月 15日号より