マイナンバー制度への学習を進めよう~従業員への周知が第一歩【京都】

京都同友会

 10月よりマイナンバー制度が導入されます。国民一人ひとりにマイナンバー(個人番号)が通知され、その管理などにおいて企業経営に大きく影響が生じると言われています。マイナンバー導入に備え、各同友会でも学習会が始まっています。京都同友会の学習会を紹介します。

 本年10月より通知が始まり、翌年1月より利用が始まる「マイナンバー制度」。京都同友会東山支部では、その対応のための例会を6月24日に開催しました。

 講師を務めたのは税理士の会員。講師がまず強調したのは従業員への周知で、「通知カードが届いたらきちんと保管すること」。いまだ多くの企業が制度の内容をほとんど知らないと言われ、国民への広報が遅れている状況の中、企業対応としてはまず従業員への説明が第一歩です。

 そしてマイナンバーの“利用・提供・収集・保管”にあたって、社内で管理者を決め、ルールを1つずつつくっていくことが必要になってきます。事業者が講ずべき安全管理措置として、「基本方針の策定」「取扱規程等の策定」「組織的安全管理措置」「人的安全管理措置」「物理的安全管理措置」「技術的安全管理措置」が示されており、体制の整備・運用、システムの導入が求められること。また不正には4年以下の懲役または200万円以下の罰金などの厳しい罰則規定があり、従業員の不正に対してはその使用者も罰せられるという両罰規程があるとの説明がありました。

 いずれにせよ現時点では、現場での実務・運用などについては不明な点が多く、今後、国税庁のホームページの「Q&A」などで確認をしていくことが必要とのことでした。

 質疑応答では、「派遣社員のマイナンバーは派遣先と派遣元どちらが対応するのか」、「留学生アルバイトにはマイナンバーは交付されるのか」などさまざまな質問が出され、実際の現場ではかなりの混乱が起きるのではないかと不安の声が多く上がっていました。

 京都同友会では今後も、税理士、弁護士、ITコーディネーターを講師にした多面的な視点での勉強会を開催する予定です。

「中小企業家しんぶん」 2015年 7月 15日号より