知識吸収型から課題解決型研修へ 山形同友会社員共育委員長 阿部 和人

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】57

 数年前に幹部社員研修を終え、各企業から研修のフィードバックを受けると「効果を感じられない」「モチベーションが上がるのはその時だけ」という意見が意外に多くありました。

 この事により知識を吸収する受身になりがちな研修をやめ、視点を変えて各企業で日々起こっている問題を解決する一助となる課題解決型研修にチャレンジしました。

 幹部社員研修は事前に企業変革支援プログラムステップ1の
(1)社員の自主性の発揮について
(2)共に学び育ちあう社風づくりについて
(3)労働環境の整備について
の中から課題を見つけて研修に参加し、自社の現状把握・経営者と幹部の認識共有、課題化、課題解決策、課題解決実行推進を行う機会としました。

 第1講の研修で行われたグループ討論では各社の人材育成にかかわる生々しい課題が出され、原因は何なのか、この先どうやって改善、解決の方向に向かっていくのかを話し合いました。

 その後2カ月間の実行期間を取り、各社で実行を推進しました。

 そして第2講では各社の取り組みや成果が報告されさらに今後はどのようにしていくかを討論しました。

 この課題解決型研修では問題の原因が明確となり解決策を検討する事ができ、各社の課題解決の一助となる事ができたと感じています。

 今後も継続して行い、プログラム化できればと思っています。

 山形では2015年11月19~20日に第27回社員教育活動全国研修・交流会が開催されます。まさに課題解決の研修・交流会です。

 県外から150名の同友会の仲間をお迎えして「共に学び、共に育つを実践し、人がいきいきと輝く企業をつくろう」をメインテーマに学びあいます。

 労使見解をベースとした「人を生かす経営」は、企業経営と地域の発展にとってますます貴重な意義を持っています。

 全国の社員教育活動の実践事例、成果、教訓を交流し、「人を生かす経営」の実践を広げ、社員との更なる信頼関係構築につなげていきたいと思っています。

 山形で深く学びあい、社員がいきいきと輝く企業をめざしてまいりましょう。

 皆様のご参加をお待ちしております。

「中小企業家しんぶん」 2015年 10月 5日号より