わが社の強みをこだわりとしてさらに磨く 第25回福岡県中小企業経営者フォーラム・福岡

福岡同友会

 福岡同友会は10月14日、ヒルトン福岡シーホークにて「第25回福岡県中小企業経営者フォーラム」を開催し753名が参加しました。

 今回のテーマは「こだわり~わが社の強みを社員とともにさらに磨いていこう」。中小企業の強みの源泉は経営者としての「こだわり」であるとし、さらなる競争に打ち勝つ経営者の「こだわり」に焦点を当て、強みをいかに磨くかを学んでいくこととしました。

 基調講演は、博多ラーメンでよく知られている(株)一蘭の吉冨学代表取締役が「一寸法師戦略 ~弱者が強者に勝つ! 商売の秘訣~」のテーマで講演を行いました。吉冨氏は、「今、15年前よりもものすごいスピードで時代が変化している」と話し、「『良い人』、『良い商品』、『良いサービス』、『良い会社』しか生き残れない。デジタル化によって中間業者(卸売業や仲介業など)は減っていくが、中間業者でも『良い会社』であれば生き残っていける」と話しました。

 その後、11の分科会を開催しました。

 「利益を生む環境経営にこだわる!」〔報告者:井上真一氏((株)大匠建設 福岡同友会博多支部)〕の分科会では、「同友エコ2013」の大賞を受賞した(株)大匠建設の環境経営の取り組みについて学びました。同社は、リーマンショック後の厳しい経営環境の下、諸経費の無駄をなくすために、さまざまな取り組みをしました。環境経営の取り組みを始めてから、社員も経費削減を実感し、だんだんやる気になっていきました。特に、電気自動車の導入によるガソリン代の削減などについては、実際かかった経費の数字をもとに報告があり、大きな学びとなりました。

 「地域資源にこだわる!」〔報告者:浜野慶一氏((株)浜野製作所 東京同友会)・郡司剛英氏(東京都墨田区産業観光部産業経済課)〕の分科会では、会外から行政9名、金融機関1名、大学1名の参加がありました。墨田区の産業振興会議や中小企業振興基本条例制定の取り組みなどについて報告があり、「ものづくりをするためには、人づくりが重要だ」という言葉に地域づくりの重要性が感じられました。分科会に参加した役員は、今後の中小企業振興条例づくりに生かしていきたいと、意気込みを語っていました。

「中小企業家しんぶん」 2015年 12月 5日号より