企業変革支援プログラムで指針書が身近になった~(株)サンテック 代表取締役 青木 義彦(愛知)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】49

(株)サンテック

 当社は1985年設立、資本金1000万円、社員数70名、組み込みシステムの開発を営んでいるIT企業です。2002年に同友会へ入会して、間もなく経営指針成文化に取り組み、2004年以降は毎年改定する「指針経営」を継続しています。

 全社員参加が原則で、指針作成作業、指針発表会、指針中間報告会を社員の企画運営で欠かさず毎年行っています。時を同じくして、私は同友会の労務労働委員長として愛知同友会の活動で、労使見解と経営指針を深く学ぶ機会を与えてもらいました。そのおかげで会社の経営は大きく変わり、「経営指針」の重要性を実感していました。

 しかし、社内への浸透度を振り返ると「経営指針」が全社に浸透して、日々社員と共に一体感の中で仕事をしているまでの到達感を持てないでいました。そうした時期に中同協経営労働委員会で「企業変革支援プログラム」のプロジェクトへ参加する機会を得て、自社の経営指針実践の課題と向き合うことができました。

 ひとりで会社を始め組織化もできませんでしたが、同友会へ入会して経営指針で会社が大きく変化しました。しかし、その効果にも限界も感じ始めていた頃だったのです。

 やがて、完成した「企業変革支援プログラム ステップ1」を社内で試行して分かりました。経営者と社員では意識がとてつもなく異なっていました。

 はじめは、かなりショックでした。前から分かっていて、結果がそうなることも理解した上で20年経営して来たつもりでいました。それでも現実に社員の評価を知ってショックを受けたのです。

 私の場合は、なかでも「社員を説得しようとする」姿勢が強かったことがあります。社員は私の提案や指示に「YES」というが、それは「NO」でないだけで積極的に「分かりました。やります」では決してなかったことが良く理解できました。

 その後の経営指針の改定は、プロジェクトにして私は関与しますが、リーダーを手助けすることに注力して、議論や決定は極力社員に任せました。さらにプログラムの活用として、自社でできている仕組みと、できていない仕組みを具体的にリストアップしてもらいました。その年の指針書には必要な仕組みを実現することを入れました。指針発表会で若い社員から、初めて経営指針が身近になったとの声が聞かれました。

 その後指針活動への参加者数も定着して、現場での活用度は向上してきたと思います。

 企業変革支援プログラムはステップ1・2とあるので、毎年社内の仕組みのチェックに使用してより社員に身近な経営指針を作って行きたいと考えています。

「中小企業家しんぶん」 2015年 12月 15日号より