同友会景況調査(DOR)114号(2015年10~12月期)速報発表 経営努力著しいが景況の腰折れか?

積み重なる波乱要因

 足下の業況を示す業況水準DI(「良い」―「悪い」割合)は2→9 と伸び、3期連続で改善しました。前年同期比の業況判断DI(「好転」―「悪化」割合)は 4→6とほぼ横ばいです。

 業績を示す採算水準(「黒字」―「赤字」割合)は36→45と調査開始以来最高の数値となりました。著しい経営努力で消費増税不況から脱しつつある一方、新年見通しには警戒感が強くあります。

 業況水準DIの次期は9→△1と悪化見込み、他の指標も多くが悪化を見込んでいます。2015年7―9月期GDPが年率1・0%増と発表されたものの「消費の実額は年率換算で307・7兆円と消費増税前(2013年実績)の313・2兆円を大きく下回っている(日本経済新聞 2015年12月9日付)」とあるように経済成長は実感できません。

 加えてアメリカの金利引上げ、中国の成長減速、中東の政情不安、欧州・新興国の停滞という波乱要因が積み重なり、2016年上半期は緊張感が高まらざるを得ない状況です。世界と日本の経済構造と、目の前の経営課題と、両睨みの経営が必要です。

 速報の詳細は中同協ホームページに掲載されています。
https://www.doyu.jp/research/dor/

「中小企業家しんぶん」 2016年 1月 15日号より