【全国支部長インタビュー】第1回 コロナ禍だからこそ情報を増やして仲間づくり 広島同友会・広島東支部 中島 博文支部長((株)モリタカ 代表取締役)

 全国の支部・地区を紹介する連載企画「全国支部長インタビュー」。第1回目となる今回は、広島同友会広島東支部(中島博文支部長)の取り組みを紹介します。

広島東支部の特徴

 広島市の安芸区・東区・南区の会員が多いのが広島東支部です。6つの地区会があり、来年3月には700名をめざしています。コロナ以前は、南区と連携して「広島みなと祭り」と呼ばれる地域イベントにも参画する「元気があってお祭り好き」な支部の特徴を持っていました。ところがコロナ禍によりお祭りも、独自の企業紹介イベントである「同友トピア」も開催ができずに、支部活動も増強活動も難しい状況に追い込まれていました。

支部長になるまでの道のり

 私自身は17年前に「ほぼ自主入会」に近い形で同友会に入り、身近な目標となる経営者との出会いから心酔し、「面白い会がある」と2年間で20名以上の友人を入会させました。そうなるとすぐに組織委員長に指名されるわけですが、当時の組織委員会の活動は、講演会形式のオープン例会を企画設営することと、3月の期末に事務局に集合して集中電話作戦をするのが一般的でした。

 その結果として急な呼びかけに反応できるノリのよい人(飲食店・サービス業・個人事業主)が多くなりました。

 組織委員会の後は支部の求人社員教育委員長を務め、その後は副支部長を引き受けていて、2年前に支部長に推薦されましたが、引き受ける動機の1つは「コロナという非常時だったから」でした。当社はセキュリティを主としていますので「いざというときにどうするか?」を生業とする者の方が、支部活動が止まらないのでは、と考えたわけです。

「仲間づくり」の取り組み

 2021年度の広島東支部スローガンは「ピンチのときこそ学びを実践につなげて」にしました。重点目標に「楽しく増やそう!」を入れ、会員みんなが主体者となる「民主」の実現をめざしましょうと謳(うた)いました。

 広島東支部は長年に渡り「増強活動は組織委員会だけでなく、地区会長や役員みんなでするもの」という意識がありました。その上で役員改選期の役員研修会には「増強の意義」を必須科目にして共通認識に変えていき、支部理事には「候補者リスト」を作ってもらい「1年で1名以上の入会をめざす」ことをお願いしました。

 また、組織委員会では11月に「仲間づくり例会」を開催。9月~11月を強化月間として、候補者リストを見直し、入会候補者の例会への参加率を高めることをめざしました。超優秀な組織委員の頑張りで「こんな困難な時期だからこそ、知恵も情報もある同友会にお誘いしよう」という支部全体の盛り上がりにつながり、入会89名、純増60名という結果を残せました。

私なりのまとめと問題提起

 支部の役割は、地区会のよい取り組みを紹介するなど後方支援に回り、何よりも地区会の組織委員長を孤独にしない動きが重要だと思います。そして増強活動を1つの営業戦略として考えたら、窓口は全方位に向けるべきだと考えています。つまり、経営者の学びの場という単一な魅力だけでなく、ゴルフでも飲み会でもあるいは仕事相手の検索の場など、多様な同友会の魅力を周知して行くべきだと思います。

 ただし、フォロー体制を考えると「1年でひとりが1名程度の紹介」が妥当ではないかという本音も持っています。そして従来の地道な「声掛け」活動は継続しつつ、後方支援的な意味で有料広告戦略も要るのでは?とも思っています。

「中小企業家しんぶん」 2022年 6月 15日号より