同友会景況調査速報【2022年4~6月期】指標は好転するも、懸念は募る原材料費等の仕入額は急上昇へ

 同友会景況調査(DOR)141号(2022年4~6月期景況調査)の速報が発表されました。

 2022年4~6月期は、すべての業種、地域経済圏、企業規模で回復しましたが、次期は総じて悪化予想となっています。円安やウクライナ危機の影響、エネルギー・穀物価格の上昇など、今後の情勢次第では、さらに厳しい景況となることが懸念されます。

 仕入価格高騰が企業経営においても深刻な影響が顕著に出てきました。仕入単価DI(「上昇」-「下降」割合、前年同期比)は8期連続で上昇、1990年の調査開始以来、最大水準となっています。中でも、総合工事業(民需中心)(89→100)や金属製品製造業(93→96)では、部材調達難や資源価格などの高騰による企業業績への圧迫がより深刻な影響を及ぼしていると考えられます。

 「仕入単価の上昇」を経営上の課題と指摘した割合は上昇を続け、全体では63%、製造業においては80%に達しています。自社の収益構造や財務状況の見直しとともに、取引先との価格転嫁の交渉など、粘り強い取り組みが求められます。

 「失注を防ぐため、営業体制を見直し、代表取締役直属の部門と技術部門の2手に分け、明確に営業範囲を振り分けた。この体制を当面は継続し、企画提案型の営業は代表直下で進める(東京、ソフトウェア業)」とは会員の声です。コロナ以降、営業に力を入れる企業が増えています。先行き不透明感が増す中にあっても、原点にかえった学び直しや体制の工夫など、一歩先を見据えた行動の積み重ねで経営継続の土台を築いていきましょう。

 速報の詳細は中同協ホームページをご覧下さい。

「中小企業家しんぶん」 2022年 7月 25日号より