【第50回 青年経営者全国交流会 in 兵庫】第3分科会(広島)「もう会社やめた方がいいよ」と言われた男の底力~絶望の淵から債務超過脱却

●報告者
(有)大名 代表取締役 花本 隆資氏(広島同友会青年部連絡協議会副会長)
●座長
(有)ビーライフバンクラ 専務取締役 西本 進之助氏(広島同友会西支部青年部会副部会長)

(有)大名は日本刀や鎧をネット販売する会社です。花本氏が学生時代に父親の会社が倒産し、父親が持っていた鎧や兜を生活のために販売するということが事業の成り立ちです。その中で、心機一転事業を立ち上げるも、家族からの横領やリーマンショックがあり、大きな債務超過を抱えてまさにどん底と言える状況になります。同友会の先輩会員に相談したところ、もう会社を辞めた方がいいと言われました。いろいろな思いがある中で、一番身近なわが子の顔を思い浮かべ、自分の息子に諦めた姿を見せられないという強い覚悟を持って、進み始めました。そして2020年にやっと5000万円近くあった債務超過を脱することができました。同友会入会当時、人の話を聞かない、ぐちぐちものを言う、そんな人間でしたが同友会に入ってたくさんの人に助けられて、自身、自社を見つめ直したことで、感謝することの大切さに気づきました。

今回の報告からは、何のために、誰のために経営しているのか、後悔しない生き方、それがいかに大切か、また挑戦と創造を続ける経営者であり続けること、何より経営を楽しむこと、そういった学びのある分科会となりました。

最後に、「人は人でしか磨かれない」という言葉で締めくくり、全人格的成長というテーマにふさわしい分科会報告となりました。

「中小企業家しんぶん」 2022年 10月 15日号より