【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】働くってどんなこと?~地域の中学校との連携による職業観の醸成~【京都】

 京都同友会の中京(なかぎょう)支部では、2014年より継続して京都市中京区にある中京中学校の2年生を対象に、キャリア講座を開催しています。昨年は11月17日に63名の生徒たちを前に、4名の会員がそれぞれ仕事の内容ややりがい・魅力について授業を行いました。たくさんの写真を活用してバーチャル会社見学をした企業、世の中のお金の流れについてクイズ形式で授業を行った企業など、各企業が趣向を凝らして「働く」ということについて説明を行いました。生徒たちも熱心に聞き入り、説明の後も質問の手が多く挙がっていました。

 生徒たちは授業を終えて「仕事はただお金を稼ぐためだけでなく、自己実現の場であることを知った」「今まで目を向けてこなかった業種の話を聞いて視野が広がった」など前向きな感想を寄せています。さまざまな職業を知り、働く意義について学ぶことは、貴重な機会になったのではないでしょうか。

 企業側もこの授業を通じて大きなメリットを得られます。地域の子どもたちに自社をPRできることはもちろんですが、中学生がしっかり理解できるように自社の事業内容を分かりやすくかみ砕いて説明することにより、これまで行っていた新入社員や求職者への事業内容説明においてもより明確に魅力を伝えられるようになります。また、学校の先生方に地域の企業の実情を知ってもらうことも大きな意義があります。

 中京支部と中京中学校のこの取り組みは、西京支部・城陽綴喜(つづき)支部など京都同友会のさまざまな支部とその地域の小中学校にも広がりを見せています。生徒たちが地域の中小企業について興味を持つことは、将来の地域の担い手を増やすことにつながります。

 この取り組みが生徒たちにとって自身の将来像を真剣に思い描く機会となる、さらに彼らの将来像の中にわれわれ地元の中小企業でいきいき働く姿が鮮明に映っている、そうなることを願い、今後も連携を続けていきます。

「中小企業家しんぶん」 2023年 2月 5日号より