AIの状況―ChatGPT

 話題となっているAIチャットボット、ChatGPTをご存知でしょうか。会話が流暢すぎて、問題視されているほどです。イーロン・マスク氏が創業したOpenAIから無料で提供されています。3月1日付けの日経MJでは「マイクロソフト、ChatGPT本格活用」をタイトルに記事を掲載しました。そこでは「人間が書いたものと見分けがつかないような自然な文章を生成するサービスでは、オープンAIが開発したChatGPTが驚くほどのレベルを見せている」とあり、質問を記入すると人工知能(AI)が流暢な日本語で簡潔に、詳しく回答があります。

 早速、このChatGPTに登録し、タイトルの「AIの状況」を聞いてみました。以下のような回答がありました。「AIは、現在急速に進化しており、多くの分野で注目を集めています。以下は、AIの状況のいくつかの例です。自然言語処理(NLP):自然言語処理は、人工知能の分野で最も急速に発展している分野の1つです。最近の技術の進歩により、AIは人間と同じように文章を生成したり、訳したり、質問に答えたりすることができます。コンピュータビジョン:コンピュータビジョンは、AIが画像やビデオを解析する能力を指します。最近では、深層学習という技術の発展により、AIが高度なタスクビジョンを達成できるようになりました。自動、運転監視カメラの映し出し」とありました。

 使用してみると、確かに分かりやすい回答です。現在、何か調べたいものがある場合、インターネット検索サイトを使う場合が多いのではないでしょうか。そこに、検索や調べものをするときにAIのチャットボットという選択肢がでてきました。質問についても何でも大丈夫なようで、専門的なものから、小論文、小説や詩を書いてくれたり、ネタの提供など幅広く回答してくれるようです。

 しかし、AIが発展すると、そこには問題も出てきます。学生ならカンニングやレポートの代筆が簡単につくれます。「現状の経営戦略をどうしたらよいか」ということを質問してみると、「申し訳ありませんが、経営戦略は業界や企業の状況によって異なるため、一般的な回答を提供することはできません。しかしながら、一般的なアドバイスとして、次の点が挙げられます」と(1)現状分析、(2)目標設定、(3)戦略の策定、(4)計画実行の策定、(5)監視と評価についてアドバイスがありました。記事や論文、レポートを作成するときなどはいわゆる他の人が書いたものをコピペしているわけではないので、なかなか使い勝手がよさそうなのです。そのため、普通の人なら時間がかかる文章づくりがあっという間にできますので、人間の考える力が落ちたり、調べる努力というものがなくなり、本当の意味で知識や知恵とならないとも言えそうです。

 企業としてはサービスやサポートなどで活用することの可能性は感じられます。しかしながら、AIによって働く場がなくなっていくことも確かです。永久に続くと思われる人材不足への対応策としても、AIの動向については、状況を確認していく必要がありそうです。

(I)

「中小企業家しんぶん」 2023年 3月 15日号より