金融機関若手行員向け企業見学研修会 金融機関と事業者との相互理解を深める【三重】

 三重同友会、県内金融機関(百五銀行・三十三銀行・桑名三重信用金庫・北伊勢上野信用金庫・紀北信用金庫)および津財務事務所で構成される「三重同友会・金融機関連携地域活性化協議会(※)」は、事業性評価や伴走型支援の取り組みに向けて、渉外業務経験の比較的少ない若手行員を対象に、企業の現場および経営者の思いや経営計画など非財務面の理解を深める機会として、昨年に引き続き、第2回目の企業見学研修会を5月30日に開催しました。

 当日は、県内地域金融機関若手職員12名、津財務事務所理財課長など6名、三重同友会代表理事など2名が参加し、津市内の下津醤油(株)と(株)ヒラマツの2社を見学訪問しました。

 研修会では、見学先の2社において下津醤油(株)・下津社長と(株)ヒラマツ・平松社長が、それぞれ会社の概要や経営計画を説明し、工場見学をした上で、若手行員から見学先企業に対する質問や感想、各社の強みや特徴として感じた部分などを発表しました。

 さらに2社の見学終了後に、金融機関の垣根を越えて若手行員同士でグループ討論を実施し、今回の研修会を通じての意見交換を行い、最後に1人ずつ研修会に参加した感想を左記の通り発表しました。

・今日までの営業活動では企業の決算の数字など財務面の部分しか把握できていなかったが、渉外担当者として、数字以外の企業理念や歴史、製品の強みなどの非財務面までをしっかり理解する必要があると感じた。

・これからの営業活動では、これまで以上に踏み込んで経営者や従業員の方とコミュニケーションを取り、現場見学も積極的に行っていきたい。その中で、視野を広く持ち、さまざまな視点からお客様のニーズを読み取り、課題解決に向けて支援ができるよう努めていきたい。

・他行職員との意見交換では、他行ではどのような行動をし、何に取り組んでいるのか、また悩みなどを聞くことができ、今後の自分のために参考となった。

 三重同友会・金融機関連携地域活性化協議会では、今後もこのような金融機関職員の目利き力向上や、事業者の課題解決に加え、金融機関と事業者との相互理解を深めるための取り組みを引き続き実施していきます。

※中小企業の抱える課題を解決し、地域経済の活性化と地域の発展を図ることをめざし、三重同友会と三重県内金融機関、津財務事務所の3者で設立した協議会。(令和2年4月1日設立)

「中小企業家しんぶん」 2023年 8月 5日号より