【全国支部長インタビュー】第13回
岐阜同友会・東濃地区 柴田 真希地区会長(レクセント(株) 代表取締役)
「人」にフォーカスして学びと楽しみを両立

 全国の支部・地区を紹介する連載企画「全国支部長インタビュー」。第13回目となる今回は、岐阜同友会・東濃地区(柴田真希地区会長)の取り組みを紹介します。

 東濃地区は2013年に設立され、陶磁器やタイル製造などの窯業が地場産業の岐阜県東部で活動しています。岐阜同友会の中で最も平均年齢が低く、年齢幅は30~45歳ほど。明るく前向きで、何かを変えたいという問題意識を持った会員が多く、同友会に対する欲求が高い地区だと思っています。

 同友会に参加して会社が変わり、経営者として成長している地区会員の姿が地域の人々に見られているので、自然と新会員の入会にもつながっています。オンラインでは同友会の魅力を発揮しきれないと思いますので、対面にこだわって活動しています。

今年度のスローガン「積極的当事者意識」

 例会づくりにはプロジェクト制を採用しており、プロジェクトグループに分かれてそれぞれが持ち回りで担当しています。各グループで企画から運営まで行うため、メンバーと会う頻度が高くなり、仲間意識が生まれています。「接点回数」と「接点時間」を増やしたいという思いからこの仕組みにしており、例会づくりを体感してもらうことで、お客様意識ではなく自主的・主体的に活動できています。また、腹を割って話し合いができるように、時には飲食をしながらグループ討論を行う例会を企画するなど、話しやすい雰囲気づくりにも取り組んでいます。

 例会の中身の質も変わってきました。ある会員の報告を機に、経営者個人の考え方や人生にフォーカスする報告内容が増えており、苦しかった話や悲しい話も出てきますが、「だからこそこういう活動をしたい、こうしていきたい」という思いが参加者に伝わって、会員同士の結束が強くなりました。

 業種や規模などが異なっても、経営者の熱量や人生観には共感することができます。その人の原点にある感情がベースとなって現在の活動につながっていますので、生きざまや生き方は経営に直結していると思っています。

地区会長の紹介

 2008年に入会し、2017年に東濃地区会長になりました。昨年から岐阜同友会の副代表理事も務めています。

 もともと私の父親が経営者でしたが、困っていた時に1人で悩んで命を絶ってしまいました。そういう悲しい思いをする経営者を自分の住む地域から出したくないというのが私の人生の目標で、地域をよくしたいという思いが人一倍あります。

 地区の会勢が10倍になっても日本経済は変えられませんが、仲間が増えていくことで誰かが誰かの支えになることができます。そういった仲間を増やせるのが同友会のいいところだと思っています。

 社会や政治の問題に無関心でも、世の中や制度は変わっていきますから無関係ではいられません。企業経営においても同様です。無関心がゆえに損をする人や苦しい思いをする人を減らすため、前向きに勉強しようという仲間を地域で増やしていきたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2023年 8月 5日号より