【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】
組織の社会的使命を果たすために私たちは何をすべきか? 商業高校等の教諭らと意見交換【岡山】

 岡山同友会は、8月8日に岡山市内で開かれた「第53回・岡山県高等学校商業教育研究大会」に参画し、教諭らとの意見交換などを行いました。当日は「地域の未来を創る商業(ビジネス)教育の実現」をテーマに、教諭や講師など約100名と同友会関係者(事務局と社員を含む)約30名が参加。岡山同友会の高橋正志代表理事((株)マスカット薬局・代表取締役)による講演とグループ討論を行いました。

 大会は県高等学校商業教育協会(商業高校や商業学科を設ける高校など32校が加盟)が毎年開催しているもので、岡山同友会とのコラボレーションは昨年に引き続き今回が2度目になります。

 講演の中で高橋氏は、地域課題を自社の問題と捉えて解決していくことが中小企業の使命であることを強調し、“薬を売る薬局”ではなく“地域の健康を守る薬局”としての実践事例を紹介。その内容を踏まえて全18卓によるグループディスカッションを行い、「自分が所属する組織の地域における社会的使命(ミッション)は何か?」「その使命を果たすために私は何をするか?」とのテーマに沿って意見を交換しました。

 教諭からは「各校の使命は校訓等に定められているが、年度方針は教育委員会から下達されるため両者の擦り合わせが難しい」「異動が頻繁なため赴任先の地域特性を理解するまでに時間がかかる」などの意見のほか、「地域に必要な人材を輩出することがわが校の使命だが、そもそも地域の企業がどのような人材を望んでいるのか把握できていない」といった悩みも聞かれました。一方、経営者からも「経営理念の中に自社の社会的使命を明確に位置づけられていない」「自社が求める人材像を明確化できていない」などの課題が挙げられました。

 立場の異なる参加者の議論を通じてそれぞれが抱える問題点が際立つと同時に、これから取り組むべき課題を考える上でも貴重な機会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2023年 9月 15日号より