10月4日、北九州市立高等学校インタビューシップ成果発表会が小倉駅および魚町イベント広場にて開催されました。
インタビューシップは、高校1年生が1人で1社を訪問し、2日間かけて経営者や社員に経営理念や働く目的などをインタビューする取り組みです。香川同友会の取り組みを参考に、昨年冬に北九州市立高等学校1年生17名を受け入れたプレ実施を経て、今年から本格的に学校の授業としてインタビューシップが位置づけられ、北九州市立高等学校1年生200名のうち、夏休みに受け入れた情報ビジネス科80名の発表会でした。
企業でのインタビューをもとに、自作のパネルを使いながら経営理念や会社の強み、どんな思いで経営しているかを企業に成り代わって発表します。受入企業にとっては、2日間のインタビューで何が生徒に伝わり、伝わらなかったかを確認する場になります。どの生徒も緊張した面持ちながらも、参加型のクイズ形式にするなど工夫を凝らし、半年前まで中学生だったとは思えないほど堂々と発表していました。
発表の中では、「働くこと」への意識の変化も話されました。インタビューシップへ行く前は、「お金のため」「義務」「キツイこと」「生きていくために仕方なくやること」と働くことに対してマイナスなイメージを持つ生徒も多かったですが、インタビューを通して、「社会や地域のため」「お客さんの喜ぶ姿を見るため」「人の役に立てるため」など前向きな考えを持てたと話す生徒も多くいました。
発表の後は参加者から質問が投げかけられ、どんな質問に対してもしっかりと答えていました。なかには「信頼される人になるためにどんなことをしますか」という鋭い質問が聞く側の生徒から飛んでくる場面もありました。
発表会に向けて、前日遅くまで学校に残り練習していたところ、昨年インタビューシップを経験した2年生が発表を聞いてあげてアドバイスすることもあったそうです。先生からも自分で考え行動する自主性が育っているという声が聞かれました。
受け入れ1日目の緊張した生徒を見ている企業にとっては、まるでわが子の成長を見るようなそんな1日でした。
冬休みには本年度よりスタートした学科「未来共創科」120名の受け入れを行います。新しい生徒との出会いと成長を楽しみにしています。
「中小企業家しんぶん」 2024年 11月 5日号より