地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」は、産業構造や人口動態など地域経済に関する官民のビッグデータを可視化することができる政府のシステムです。
2022年12月に閣議決定された「デジタル田園都市国家構想総合戦略」において、RESASによる地域企業のデータ活用支援、地域企業のニーズを踏まえた機能向上が位置づけられたことから、中小企業庁では、昨年10月より中同協や各同友会と連携し、RESASを活用した経営環境分析講座を全国で開催、10月末時点で講座の開催数は計27回、受講者は1100名を超えています。
同講座は、中小企業庁の担当者が講師を務め、RESASを実際に操作しながら受講者が自社の属する業界の現状や動向などを把握し、自社の課題などを明らかにする内容となっています。受講者からは「非常にわかりやすく有用なセミナーでした。ビッグデータというと中小企業では縁遠いものとばかり思っていましたが、有効に活用することで将来を見据えた経営方針の策定に役立つと確信した」、「地域の動向、業界の推移など、欲しかったものがここにあった」、「業界動向と自社の業績動向で、どこに問題点があるのか確認できた」など、大変役に立ったという声が多く寄せられています。
同講座では、データに基づき外部環境分析を行うことができる「経営環境分析シート」を紙・手書きで作成していたところ、「作成が大変」、「コロナ後の業界動向が知りたい」など受講者1000名の声を踏まえ、本年8月、RESASに最新の統計データと自動作成機能が搭載されました。
また、製造業を中心に「業種単位では不十分」との声を踏まえ、製造品1800品目の工場出荷額が確認できる機能を10月に追加で搭載、いずれもスマートフォンで利用できるよう、使いやすいものになっています。さらに、本年度、マーケティングに活用できるPOSデータや人流データなど高度化の開発も進められているとのことです。
昨今、経営指針作成セミナーにRESASを活用した経営環境分析の講義を取り入れる同友会も出てきており、今後、各同友会や企業での活用が期待されています。
※RESASの経営環境分析シート、製造出荷額メニューは下記URLから利用できます。
経営環境分析シート https://www.resas.go.jp/industry-business-environment-analysis
製造出荷額メニュー https://www.resas.go.jp/industry-manufactured-goods/?middle=00&small=000&goods=000000
「中小企業家しんぶん」 2024年 11月 5日号より