能登復興に想いを込めて~能登と共に 
第37回経営者フォーラム(石川)

 10月22日、第37回経営者フォーラムが「能登と共に~スタンドアップ石川」をテーマに和倉温泉のと楽にて行われ、のべ110名が被災地能登に集まりました。

 基調報告は、震災直後から現在までを知ってもらうことを目的にパネルディスカッション形式で行われ、登壇した能登支部会員の4名はさまざまな不安や苦悩、課題を述べ、一方で未来への希望も語りました。「悲惨な状況を見聞きしショックを受けたが、能登が大好きだから石川県全体で何とかしたい」と話した参加者や胸が熱くなったと振り返る会員もおり、それぞれが何に気づき何を想(おも)うのか、関わり方は無限にあることを知り、新たな一歩につながる機会となりました。

 午後からは4つの分科会が行われました。第1分科会は、就労継続支援A型事業所LABOにて瀧川嘉明氏と木谷施設長が「障害者の力で復興を」をテーマに報告し、復興を通した福祉事業所のあり方、障害のある方たちが活躍する姿を知りました。参加者は能登の福祉業界の状況を知り、「今自分たちに何ができるか」について多くの意見が交わされ、次につながる貴重な学びを得ました。

 第2分科会は「地域・企業の未来は私たちの手でつくる」をテーマに、ゲスト報告者の輪島商工会議所女性会4名の報告から、震災や豪雨被害からの復興への取り組みを共有。ピンチをチャンスと捉え、能登の自然や伝統を守り、観光、漁業を未来へつなげる覚悟を受け取りました。グループ討論では共助やBCPの重要性も再確認しました。

 第3分科会は、中島町で能登かきの生産を事業とする(有)山口水産にて、取締役の山口翔太氏より「自分が出来ること。今も、未来も」をテーマにした報告があり、工場や被災のあった町内も見学しました。同氏は震災直後から、報道が少なかった地元中島町の被災状況をSNSで発信。ECサイトで能登かきの販売を続けたことを報告し、有事の際でもチャレンジを続ける姿勢や未来を描き続ける大切さを学びました。第4分科会では「能登のこれから。多田屋のこれから」をテーマに、甚大な被害を受けた多田屋と田鶴浜町を見学し、多田氏が震災時から現在までの状況や取り組み、和倉温泉全体との関わりや今後について報告し、自社だけでなく地域全体の復興を考え未来に向かって行動する大切さを学びました。乙丸屋実行委員長は、「歯を食いしばって前に向かう能登の人の覚悟とまなざしに圧倒されました。また『同友会があったから前を向いて進める』と能登の会員から言われました。立ち上がろう、能登と共に! われわれ中小企業で」とまとめました。

「中小企業家しんぶん」 2024年 11月 25日号より