同友エコ受賞企業(奨励賞) 
同友エコをきっかけに、社員の環境意識を高める 
(有)村田電設 代表取締役 村田 一信氏(熊本)

 同友エコ2023―2024受賞企業を紹介する本連載。第6回となる今回は、奨励賞を受賞した(有)村田電設(熊本同友会会員)の取り組みを紹介します。

 (有)村田電設は、熊本県の中央に位置する宇土市に本社を置き、電気設備工事や空調設備工事、オール電化工事などを手がける企業です。環境へ配慮するべきという意識は元々持っていましたが、同友エコのアンケートに取り組むことで、自社ですでに行えていること、これから取り組めそうなことが明確になりました。

社内の環境改善

 まず社内では、全ての照明を人感センサーのLEDライトに変更。これにより、消費電力を大幅に削減できただけでなく、消し忘れがなくなりました。特に、工事用備品の取り出しを行う倉庫では消し忘れが多かったため、この変更が大きな効果をあげ、照明の電気代を従来比で約6割削減することに成功しました。

 さらに、空調設備を最新の高効率機器に更新するとともに、外壁には断熱塗装を施し、窓には遮光フィルムを施工。空調の効きがよくなり、快適な職場環境を維持しながらエネルギー消費を削減することができました。

廃棄物の分別と再利用で意識改革

 事業活動でも環境負荷を軽減する取り組みを進めています。古くなったエアコンや配線を新しいものに取り換える業務では、廃棄物が出ます。その廃棄物を、以前は業者に引き取ってもらっていましたが、同友エコのアンケートをきっかけに分別するようになりました。その結果、まだ使用できる部品などが多数あることに気づき、これらを適切に再利用するようになりました。

 当初は手間と感じられていた分別作業ですが、習慣にすることで当たり前のこととなり、社員の環境への意識が高まりました。「エコ=我慢」というイメージが払しょくされ、今ではエコについて考え取り組むことで、労働環境の改善や作業の効率化につながることを社員は実感しています。

同友エコを存分に生かす

 (有)村田電設は、同友エコのアンケートへの取り組みを通じて、環境経営の一歩を踏み出し、自社の環境活動を「見える化」しました。これにより、社員1人1人の意識が変わり、いろいろな工夫や知恵が出てくるようになりました。

 同社はこれからも、同友エコを基盤に、さらに環境への意識を深めていく方針です。

会社概要

設立:1991年
社員数:9人
事業内容:ビルおよび住宅等の一般電気工事・空調・オール電化・太陽光発電等設計施工
URL:http://murata-densetsu.com/

「中小企業家しんぶん」 2024年 12月 15日号より