先達に学ぶ 今を生きる 未来を変える 
第52回中小企業問題全国研究集会in愛媛を開催

 2月6~7日、今季最大の寒波が襲来する中、「先達に学ぶ 今を生きる 未来を変える」をテーマに第55回中小企業問題全国研究集会(略称:全研)が愛媛県松山市で開催され、47同友会と中同協から1173名の参加がありました。

 2025年は愛媛同友会創立から40年、「労使見解」(中小企業における労使関係の見解)発表から50年という節目の年。愛媛同友会は会員増強にも力を入れ、期首からの純増率は全国トップの11・2%で当日を迎えました。

 1日目は4つの会場に分かれ「情勢認識」「賃上げできる企業づくり」「事業承継」「公正取引」「地域資源の活用」「地域づくり」などをテーマに13の分科会と1つの見学分科会、合わせて14の分科会で学び合いました。

 2日目は、渡部伸哉実行委員長の開会宣言でスタート。はじめに米田順哉・愛媛同友会代表理事が開催地を代表してあいさつ。続いて主催者を代表して広浜泰久・中同協会長が「今年は労使見解発表から50年、戦後80年という記念すべき年。このような年にわれわれ同友会が中小企業を取り巻く問題を全国的に研究する集会である全研を開催した意義はものすごく大きい。2日間の学びを皆さん自身、会社、同友会、そして各地域の未来を変える力にしていきましょう」とあいさつを行いました。来賓からは、菅規行・愛媛県副知事、藤田仁・松山市副市長がそれぞれあいさつに立ちました。

 労使見解発表から50年を記念して行われた記念企画では、京都同友会相談役の籔修弥氏((株)ミル総本社相談役)が「人を生かす理念経営~人間尊重の経営で新しい歴史を創造する」をテーマに講演しました。

 籔氏は自身の経験を振り返りながら「人を生かす経営とは、1人1人の素晴らしい人間力が発揮できる企業づくり・地域づくりとなり、ニッポンを元気にするライトワーク(地域を照らし、歴史に残る“史事”)になる」と語りました。

 続いての特別講演では、「地域と人をつなぎ、次世代に心の豊かさを残す」と題してサッカー元日本代表監督の岡田武史氏が登壇。現在は愛媛県今治市に拠点を移し、FC今治のオーナーを務め、2024年4月には学園長としてFC今治高等学校里山校を開校しています。未来の人材育成を地方からゼロスタートで取り組む岡田氏から理念を通じて行うチームマネジメントの取り組みや地方活性について学びました。

 最後に2日間のまとめを中山英敬・中同協幹事長が行い、次回の全研開催地である田村滿・岩手同友会代表理事の閉会あいさつで2日間の全研が終了しました。

「中小企業家しんぶん」 2025年 2月 25日号より