【変革と挑戦】特別支援学校とつながる「しごと体験フェア」 
兵庫同友会障がい者委員会

兵庫同友会の障がい者委員会は、2011年に研究会として発足し、2016年に委員会として“人を生かす経営を地域の文化に”を合言葉に活動を始めました。

今後、労働可能人口が減少していく中、その7.4%を占める障害をもつ方の可能性に気づき、自社の成長に取り込んでいくことは企業を永続、発展させるためには企業経営者として必ず取り組むべきこととなっていきます。

兵庫では2018年から毎年県内の特別支援学校の見学会を行っています。見学会では、雇用率・人材不足のために働く人材を探しているというだけではなく、見学を通して自社の社員の生かし方、「人」にフォーカスをした考え方を学びます。特別支援学校では、視覚支援で伝え方を変え、誰でも理解しやすいように環境を整えています。障害者に対してアンコンシャスバイアス(無意識の偏見・差別)があると思いますが、特性を持っていても十分に企業の戦力となって活躍できることが見学会で発見できました。

見学会で交流を深める中、特別支援学校では職業実習を行っているものの、先生の人員不足や少子化の影響もあり、子どもたちは限られた職業しか知らないという課題が浮き彫りになりました。そこで「しごと体験フェア」を実施することになりました。「しごと体験フェア」とは、特別支援学校の生徒さんにさまざまな仕事体験の場を作り、子どもの可能性を広げるとともに、地域の企業を知ってもらい、「働くこと」への意欲を高める取り組みです。また、われわれ経営者もフェアを通して、特別支援学校に通う子どもたちやその保護者の方とつながり、企業見学や実習受入から採用へつながる取り組みです。

2024年度は2回しごと体験フェアを開催し、但馬では150名、阪神では130名を超える参加がありました。参加企業は生徒と実際に会って、実習受け入れから始めてみたい、障害者雇用に挑戦してみたいという感想が寄せられました。また、参加した学生からは、自分は苦手だと思っていたことが意外とそうでもなかった、新たな自分を発見できたという感想も寄せられました。

「中小企業家しんぶん」 2025年 3月 5日号より