【企業変革支援プログラムの活用】
企業変革支援プログラムによる経営指針の実践

中同協は、2022年10月に『企業変革支援プログラムVer.2』を発刊しました。今回は、中同協経営労働副委員長の青木義彦氏((株)サンテック代表取締役)の活用事例を紹介します。

 企業変革とは、経営環境の変化に対応し、企業の成長と競争力向上をめざす取り組みです。組織の仕組み、業務プロセス、文化を見直し、変革を促進します。企業が持続的に発展するためには、外部環境に適応しながら、社内の仕組みを最適化することが欠かせません。

 私は2004年より経営指針を活用し、指針経営を実践してきました。2006年からは「企業変革支援プログラム」作成プロジェクトに参加し、続いて『ステップ1』を活用。その後、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)だけでなく、経営活動の成果を振り返ることが重要であると認識しました。そこで、このプログラムを経営課題の分析に活用。カテゴリー・サブカテゴリー・小項目というフレームワークが、当社の課題整理の軸となりました。

 2023年度(2023年7月1日~2024年6月30日)には、『企業変革支援プログラムVer.2』(以下、Ver.2)を導入。毎週月曜の朝礼で社員が課題を報告し、Ver.2のフレームワークを参考に自己分析を行いました。朝礼終了時、社員からのコメントを収集・分析し、共通課題を抽出しました。これにより、個々の課題意識が明確化され、組織全体としての方向性をより具体的に定めることができました。

 分析の結果、最も多かったのは「Ⅲ人を生かす経営の実践」(40・9%)で、その中でも「(4)共に学び共に育つ社風づくり」が最多でした。次いで「Ⅴ付加価値を高める」の中の「(2)製品やサービスの生産・供給」が重要視されました。これらの課題は、企業の持続的な成長を実現するために不可欠な要素であり、経営指針に反映させるべき重要な視点です。

 この1年間の取り組みを通じて、以下の4点がわが社にとって重要な解決課題として明確になりました。

(1)情報の一元化と共有
(2)コミュニケーションの改善
(3)スキルや知識の見える化
(4)業務プロセスの標準化と改善

 これらは、組織運営を向上させるために不可欠な要素です。情報の一元化は、業務の効率化と正確な意思決定を支えます。コミュニケーションの改善は、チームワークの強化と生産性の向上につながります。また、スキルや知識の見える化により、社員の成長を促し、組織全体の技術力を向上させることができます。そして、業務プロセスの標準化と改善は、安定した品質の提供と業務の最適化を実現します。

 『企業変革支援プログラムVer.2』は、経営のバランスを考慮しつつ、社員や経営者の課題をマッピングし、具体的な改善策を明確にする有効なツールであることが分かりました。今後も継続的に活用し、経営指針の改善につなげていきます。また、これらの課題をより深く掘り下げ、組織全体の成長につながる施策を強化していく予定です。

中同協経営労働副委員長/(株)サンテック代表取締役 青木義彦

「中小企業家しんぶん」 2025年 4月 5日号より