全国の支部・地区を紹介する連載企画「全国支部長インタビュー」。第31回となる今回は、石川同友会・金沢駅西支部(炭澤吉治支部長)の取り組みを紹介します。
支部の紹介
来年度50周年を迎える石川同友会は、能登、金沢駅西、金沢中央、金沢城南、白山・野々市、南加賀の6つの支部で構成されおり、2025年3月現在で会員数380名です。金沢駅西支部は95名。例会では支部所属会員の報告にこだわり、会員増強にも力を入れ、今期は石川全体の入会者の38%に当たる10名の新入会員を迎えることができました。小グループ活動では、10月に能登半島地震復興活動として金沢大学と共同での被災写真の洗浄活動や有志による炊き出しを行うなど、能登復興を意識した1年にもなりました。現在、お膝元の金沢市でも中小企業振興条例制定の準備が始まっており、今後金沢市の3支部の役割が重要になります。
支部長の紹介
同友会入会は2002年7月。きっかけは同業の方のお誘いでした。ちょうど6月に創業の父親から社長を交代した時期でもあり、何となく入会したように記憶しています。2年後、役員研修などを担当する研修学部へ参加するきっかけがあり、そのタイミングでやっとゲストから会員になったように感じました。数年は理事になるなど積極的に同友会活動をしていましたが、2012年から中国に合弁会社を設立したことで7年間は休眠状態。中国では同友会理念とは対極にあるような会社が繁栄している時代でした。帰国後は支部相談役としてのんびり参加していたところ、思いがけず支部長を拝命、新たな学びに感謝する日々です。
支部運営および仲間づくりの取り組み
初年度の支部運営では、楽しい場、居心地のよい場の設定にこだわりました。具体的には、入会歴の浅い方や出席率の低調な会員にあえてさまざまな役を担当してもらい、主体性を持って活動してもらいました。役を担当することでお互いを知り、信頼できる仲間を増やす機会につなげています。また、会歴の古いレジェンド的な会員にも積極的に声かけした結果、幅広い年代が集まって支部活動が活性化されました。
仲間づくりでも今年度目標を達成できましたが、経営課題を持った方々に入会を勧めてくれる多数の支部会員の存在が達成要因になります。今後、さらにそのような会員を育てるとともに、今期10名の新入会員が将来の紹介者になることが重要だと考えます。私も最近、「恩送り」を意識するような年齢になりました。同友会のご縁で、特に先輩方のご指導で今の私や会社の成長があります(入会当時は社員3名で売上1億円→現在は社員32名で6億5000万円)。これからも恩送りの精神で会内外によい循環をつくっていきたいと思います。また楽しむことを忘れず、同友会、地域づくりに邁(まい)進していきます。
「中小企業家しんぶん」 2025年 4月 5日号より