2019年10月、鳥取同友会米子支部例会では「中小企業振興基本条例」の制定に向けた議論が行われました。例会には会員28名に加え、行政・議会・金融機関・他団体を含むオブザーバー18名、計46名が参加しました。当時、米子市商工課を中心に、他団体や金融機関を交えた検討委員会が発足し、「理念型条例」と「アクションプラン」について協議が進められていました。
その後、2020年3月に「米子市中小企業振興条例」が制定され、同条例第4条に基づき、2021年度から2024年度までの4年間を対象とした「米子市中小企業者等振興行動計画」(通称:米子市中小企業者等アクションプラン)が策定されました。
2024年8月には、第2期となる「米子市中小企業者等振興行動計画」の策定に向けて、「中小企業者等振興行動計画検討委員会」が発足しました。委員会には、鳥取同友会の田城代表理事をはじめ、5団体、4金融機関、鳥取大学、専門企業、そして米子市の職員が参加しています。
第1回の委員会では、計画の骨子が示され、アンケート調査の項目についても議論が行われました。その後、米子市内の中小企業・小規模事業者を対象にした実態調査が実施され、434件の回答が寄せられました。特に、後継者不在の問題が深刻であることが浮き彫りとなり、アンケートの回答では69%が「後継者不在」と回答しましたが、未回答の63件を加えると、実際には74%が後継者不在である可能性が示されました。
これらの調査結果を踏まえ、第2回委員会が開催され、議論が重ねられた結果、第2期米子市中小企業者等振興行動計画(2025年度~2029年度)が策定されました。本計画は、米子市中小企業振興条例の目的である「本市経済の活性化及び市民生活の向上」を達成するため、市、中小企業者等、中小企業支援団体、金融機関および教育機関の関係機関が連携して取り組むべき施策や事業の方向性を明らかにしたものです。
特に、近年の市内における人手不足や、賃金・原料価格の上昇に伴う物価高騰の状況を踏まえ、中小企業者等の新規市場開拓や付加価値の向上、DX推進などの生産性向上に関する内容を更新しています。米子市は、この計画を着実に実施することで、ビジネスチャンスを広げ、地域全体で所得の向上を図り、稼げるまち「新商都米子」をめざすとしています。本計画の詳細やアンケート調査結果については、米子市のホームページに掲載されています。
鳥取同友会は、今後も引き続き「中小企業振興条例策定委員会」に関わり、中小企業の支援に尽力していきたいと考えています。
「中小企業家しんぶん」 2025年 4月 15日号より