新年度に入り、各地同友会で合同入社式・新入社員研修会が行われ、若者たちが社会人としての一歩を踏み出しました。その中でも今回は、福島、山梨、福井、香川、沖縄の取り組みを紹介します。
仲間と学び、社会人の基礎を築く 福島県で新入社員が力強いスタート【福島】
福島同友会では、3月25日から28日にかけて、郡山・福島・会津・いわきの4会場(38社67名)で合同入社式と新入社員研修を開催しました。新たに社会人としての一歩を踏み出す新入社員たちは、緊張の面持ちで式に臨みつつも、各会場で仲間と共に学び、意識を高め合いました。
合同入社式(郡山会場)では、香西良浩副代表理事が「目標をしっかり立て、日々努力しながら、周囲や社会のために働き、自己成長につなげてください」と新入社員へエールを送りました。次に、(株)ピオ・プランナーズに入社した川崎舞氏が新入社員代表あいさつに立ち、「社会人としての誇りと責任を胸に、力を尽くして仕事に取り組んでいきます」と決意を述べました。
その後の新入社員研修では、「社会人としての心構え」や「報・連・相の重要性」、「チームワークやコミュニケーション」などを講義とワークを通じて学びました。福島会場ではボールを使った体験型研修で「コミュニケーションはキャッチボールである」ことを体感し、いわき会場では委員がパネラーとなり、中小企業のやりがいや地元で働く魅力についての報告&討論会も行われました。
会津・郡山では模造紙に夢や目標を描き、発表し合うワークを通じて同期同士の交流が深まりました。
参加者からは「自信を持って働く一歩が踏み出せた」「社会人としての自覚が芽生えた」といった声が寄せられ、社員共育委員会がめざす“心の土台づくり”の成果が感じられる場となりました。
山崎建見・県共同求人委員長(当時)から新入社員の皆さんへ──
「新社会人としてのスタート、おめでとうございます。皆さん1人1人の歩みが、やがて企業を育て、地域を支え、社会の未来を形づくる力になります。困難に直面するときもあるかと思いますが、仲間との絆を大切にしながら、自信を持って歩んでください。皆さんの今後の活躍を心から期待しています」。
誇りを持って働きたい 42名が社会人として第一歩【山梨】
山梨同友会は4月2日、26社から42名の新入社員を迎え、合同入社式を開催しました。
冒頭「失敗を恐れず、エラー&ラーン(失敗と学び)を繰り返しながら、成長につなげてほしい。経営者は全力で皆さんを応援します」と田中昇代表理事が祝辞を述べました。
昨年入社した内藤秀吾氏(萌木の村)は「失敗を恐れないこと、夢と目標を持つこと、探究心を常に忘れないこと、そして、同期の仲間として共に山梨を元気にしていこう」と先輩社員からの激励を送りました。
建設ディレクターとしての決意
新入社員を代表して、丸浜舗道(株)の佐藤花氏が「入社の決め手は、先輩社員の人柄のよさと仕事に対する熱意を感じたから。新天地で不安もあるが、これまで学んできたデザインの知識を生かし、建設ディレクターとして1日も早く戦力になりたい。誇りをもって働き、同期とも切磋琢磨(せっさたくま)し、持ち前の明るさを生かして会社に新たな風を吹かせたい」と堂々と決意表明しました。
感謝と希望を胸に、社会人の第一歩を【福井】
福井同友会では、3月28日に2025年度合同入社式・研修会を開催しました。希望に胸を膨らませる10社23名の新入社員が社会人としての第一歩を踏み出しました。
冒頭、山内喜代美代表理事が「人から一緒に仕事をしたい、一緒に仕事ができてうれしいと思われる人になってほしいです。周りの人への感謝を忘れず、一生懸命仕事に向き合ってください」とあいさつしました。
新入社員を代表して、イワイ(株)に入社する西野皓星氏が岩井保之代表取締役から辞令を受け取り、「日本の経済を担っていけるよう強い気持ちと責任感を持って働きます。何事も全力で取り組み、1日でも早く会社に貢献できる人材になれるよう努力します」と決意を述べました。
その後、新入社員たちは緊張した面持ちでそれぞれの会社の担当から辞令を受け取りました。また、参加企業10社の経営者・経営幹部たちが、「入社してくれて本当にうれしい、今日から息子だと思って徹底的に育てていく」「失敗を恐れず、どんどん失敗して、経験値を積んで頑張ってほしい」など熱いメッセージで歓迎しました。
先輩社員として昨年入社した北陸トラック運送(株)の波賀野牙久氏が、「1つでも知識や経験を得られるとやりがいが感じられる。一緒に頑張っていきましょう」とエールを送りました。
新入社員からは、「若干不安だが期待でいっぱい、責任感のある社会人になりたい」「人の役に立つためには、どんなことを勉強していけばいいのかを常に考えながら過ごしたい」などの感想がありました。
第2部は、(株)泉教育創研代表取締役の小木紀弘氏による「輝く未来へ 自分更新!」をテーマとした研修会が開催されました。
各自のビジョン(自分の将来像)をつくり、グループにて共有しました。今後も新入社員の交流の場などを企画し、つながりを深めていきたいです。
新入社員も経営者も、共に学び合う【香川】
4月1~2日、香川同友会にて合同入社式と新入社員研修(共同求人委員会と社員教育委員会の共催)が開催されました。合同入社式は1984年より毎年実施されており、今年は20社42名の新入社員が参加しました。式の冒頭では、小西啓介代表理事より「見通しの立たない世の中ですが、目標を持ち日々成長してほしい」とのあいさつがありました。また、新入社員代表として、長谷ぶどう園の山下叶琉氏より、「地元から人が減り活力が失われていることを感じています。農業は担い手不足のため、少しでも自分の働きで地元に貢献したい」と誓いの言葉が述べられました。
新入社員研修は(株)かのん代表取締役の山本カオル氏を講師に迎え、2日間にわたって開催。新入社員46名に加え、経営者および担当社員27名が参加しました。この研修の特徴は、新入社員と経営者・担当社員が共に参加し、グループ討論を行うことで学び合える点です。新入社員の働く目的を一緒に考え、自社や地域で活躍できる人材へと導くこと、そして人が育つ企業づくりへとつなげることを目的としています。
研修内容は、コミュニケーションの基礎、会計や給与の仕組み、夢や目標を持つことの素晴らしさ、働く目的の再確認、個人の目標を会社の理念やビジョンに当てはめてみるなど多岐にわたりました。参加した新入社員からは、「はじめはどうして研修に参加するのか分からなかったが、参加してたくさんの学びが得られた」といった声が寄せられました。また個人の目標を共有しエールを送り合うグループワークを通して、「前向きに頑張ろうと思えた」という感想もありました。経営者や担当社員からは、「新入社員とのグループ討論は難しいが関わり方の学びになった」、「初心に立ち返ることができた」という感想がありました。5月にはフォローアップ研修を予定しており、約2カ月の振り返りに加え、退社したくなったときの対処法についても講義が行われる予定です。
共に学び、共に育つ門出の春【沖縄】
沖縄同友会では4月3~4日の2日間、ユインホテル南城にて2025年合同入社式・新入社員研修会を43社・新入社員104名の参加で開催しました。
共同求人委員会・社員教育委員会合同で行われるこの研修会は、共同求人などを通して採用した大事な新入社員が社会人としてスタートする大切な取り組みで、年間で開催する新人フォローアップ研修の第一歩となります。
参加企業の付添者と、新入社員の出身校から来賓を迎えて始まった合同入社式は、粛々とした空気の中、宮城光秀代表理事からのあいさつの後、来賓を代表して、沖縄県大学就職指導研究協議会会長の島袋伊津子氏(沖縄国際大学)と那覇公共職業所所長の山城あゆみ氏よりあいさつがありました。
その後、各社社長より辞令交付を行い、新入社員2名から決意表明がありました。
新入社員研修会は、1日目にイカリ消毒沖縄(株)代表取締役の仲本明氏による「社会人の心構え」講話、ビジネスマナーの講師はアグレアーブル印象美人(株)代表のあらかき咲美氏、コミュニケーションゲームは(株)琉球補聴器代表取締役の森山賢氏による講義と続きました。
2日目は、3名の先輩による体験報告、そして「チームワークレクリエーション」をイコールパートナー(株)代表取締役の西川利明氏が講義しました。この講義では、頭と体を使ったゲームを通し、楽しみながらチームワーク、健康、自己管理を学び、協力して目標を達成する喜びを実感できました。
また、2日間で3回行われたグループ討論では、お互いに感じたこと、学んだことを出し合い、さらに自分自身の考えを深め合いました。最初は緊張でこわばっていた表情も、コミュニケーションゲームのころには笑顔が増え、イキイキとした表情に変わっていました。
2日目の最後は「創作発表会」で、13グループからのバラエティー豊かな発表で会場は大盛り上がり。その後の修了式でもグループを代表した決意表明があり、最後に記念撮影をして終了しました。
合同での入社式・研修とあってマスコミも注目し、夕方のニュースで放映され、朝刊では沖縄タイムス・琉球新報の両紙が大きく報道しました。
新入社員だけでなく、付添者として参加した経営者・社員からも多くのことを学べたという声が多数上がり、共に育つという同友会の理念を体現した研修会となりました。
「中小企業家しんぶん」 2025年 5月 5日号より