同友エコ2024―2025受賞企業を紹介する本連載。今回は、奨励賞を受賞した(株)ラダー(千葉同友会会員)の取り組みを紹介します。
梶氏は、船橋駅前にあるドトールコーヒーショップを運営しており、ハンディキャップを抱え働きづらさを感じている人々の支援や、コーヒーかすを無駄にしない取り組みなど、多方面から環境経営を実践しています。
先進的な取り組みとして、市内の事業者と共同で、コーヒーかすを回収し乾燥させることでかすから採れる油脂分とアルコールを活用してせっけんや消毒製剤へ応用する研究を行っています。併せて、資源循環型の店舗運営にも積極的に取り組んでいます。
社内共有と数値管理による全社的な省エネ・資源循環の取り組み
店内ではエアコンの使用量を時間単位で測定し、稼働をこまめに管理することで省エネを実現。水道には節水ノズルを導入し、さらに社内書類のデータ化によってDXと省資源の両立も進めています。また、廃棄予定の果物を活用したスムージー販売など、資源循環にも積極的に取り組んでいます。
これらの取り組みを持続可能なものとするためには、社内での情報共有が不可欠です。課題を数値で明確化し、ルールとして定着させ、全社的な活動として推進することが重要だと梶氏は語ります。
高齢者の生きがい創出と地域連携
就労環境の面では、地域のデイサービスセンターと連携し、介護保険を利用する高齢者に職場の一部業務を担ってもらう仕組みを導入。人とのコミュニケーションを通じて、高齢者のやりがいや生きがいを創出し、認知機能の低下を防ぎ、健康寿命に貢献しています。
次世代コーヒー事業への挑戦
現在、梶氏は各国を巡り、次世代のコーヒー事業を模索しています。コーヒー農家では豆以外の部分が廃棄されがちですが、精製時に取り除かれる果肉部分は、近年新たな食材として注目されています。乾燥させた果肉は「カスカラ」と呼ばれ、ティーバッグに加工され新たな飲料として開発が進められています。
「ドトールコーヒーショップ船橋駅南口店」における障害者雇用
2022年より、同社は船橋市内の特別支援学校と連携して毎年障害者の雇用を継続しており、これまでに3名を採用してきました。近年では、船橋市の生活支援相談所とも連携し、就労前の体験ボランティアの受け入れも積極的に実施しています。
こうした取り組みが評価され、2025年には船橋市の障害者雇用優良事業所表彰制度「ふなばし♡あったかんぱにー」を受賞しました。
地域の同友会会員企業との連携も進み、社会的包摂と雇用創出の両立をめざす新たなモデルとして注目されています。梶氏の取り組みは、環境・福祉・地域連携の三位一体で持続可能な社会の実現に貢献しており、今後の展開が期待されます。
持続可能な未来への挑戦
梶氏は、環境経営の取り組みを「商業施設が立ち並ぶ中で立地に勝つための1つの手段」と位置づけます。廃棄物や使えなくなったものも、見方を変えれば再活用できる資源となり得ます。ネガティブに見られがちなものにこそ可能性を見いだし、新たな価値を創出することが他社との差別化であり、自社の強みであると語ります。
こうした一連の取り組みは、単なる店舗運営にとどまらず、地域社会や地球環境への貢献を意識した、持続可能な未来への挑戦と言えるでしょう。進化し続けるコーヒー産業と梶氏の挑戦に、今後も注目が集まります。
会社概要
設立:1975年
資本金:1,000万円
従業員数:65名(うちアルバイト60名)
事業内容:カフェチェーン店舗運営および人材育成事業
「中小企業家しんぶん」 2025年 8月 15日号より









