若者に選ばれる企業へ 働きがいの提供で持続可能な企業づくりをめざす 
(株)インプレッシヴ 代表取締役社長 佐藤 潤一氏(新潟)

 採用と社内環境改善を一体として取り組む企業を紹介する連載『若者に選ばれる企業へ』。第8回は(株)インプレッシヴ(佐藤潤一代表取締役社長、新潟同友会会員)の実践です。

 わが社は約14年間新卒採用を続けており、今年も2名が入社しました。一方で、IT業界ということもあり、スキルや経験を生かして転職したいという社員も増えてきました。社員数は52名まで増加しましたが、組織としての壁を感じており、いかにわが社で働き続けたいと思ってもらえるかが課題となっています。

 そんな中、今年5月に社員の発案で社内教育委員会が発足しました。活動は社員たちが自主的に進めており、社内教育体制を構築しながら、この会社でどんな成長ができるのかを示せるよう議論を進めています。自社の将来の姿を明確にし、社員に成長や働きがいを提供できる会社をめざして取り組んでいます。

安心して働ける会社に

 創業者の時代から、社員が働きやすい会社にしたいという強い思いがありました。現在も社員の声を聞きながら少しずつ整備を進めています。例えば、子どもがいる社員は、学校行事などに参加するとすぐに有給休暇がなくなるため特別休暇を導入しており、1時間単位の有給取得も可能にしています。傷病時でも安心して復職できるように、社員からの提案で就業規則を見直し、1年半の休職期間を設けて復職の支援もしています。

 1カ月の平均残業時間は1人当たり3時間を切っており、産休・育休後の職場復帰率は100%です。AIを活用したDX化などにも取り組んでおり、人時生産性は4年間で約1・2倍まで上昇しました。社員が安心して働ける会社づくりをしてきたことで、生産性向上にもつながっています。

三位一体の重要性

 私はもともと技術職で、2015年に当社に中途入社し、突然声がかかって21年8月に会社を引き継ぐことになりました。社長就任をきっかけに経営指針を成文化し、共同求人にも参加し始めましたが、活動の本質を理解しておらず、合同入社式や新入社員研修会を開催するだけの委員会だと思っていました。その後、鹿児島で開催された共同求人・社員教育活動全国交流会(2023年)に参加し、活動の目的や理念、歴史、そして経営指針や社員教育と一体で取り組むことの重要性を学び、全ての活動がつながっていることに気づきました。

 新潟同友会は、共育求人委員会という名称で活動しています。以前は共同求人委員会として単独で活動していましたが、参加企業の減少により社員教育委員会と合同で活動するようになった経緯があります。私は、24年に委員長に就任した際に「共同求人活動を復活させよう!」と宣言し、まずは他同友会の視察に回りました。長野、宮城、群馬、香川同友会などを訪問してさまざまな事例を学び、改めて三位一体の活動が重要であることの認識を深めました。今後は、経営労働・共同求人・社員教育・障害者問題の連携の輪を広げていきたいと考えています。

 また、昨年数名でスタートした委員会も今年は15名以上に増え、社員教育チームと共同求人チームをつくって独自の活動ができる体制になりました。会員から「参加してよかった」と言ってもらえるよう、社員の成長を通じて会社がよくなったという企業を増やしていきたいと思います。そのためにも、まずは委員長としてその姿を見せられるよう、自社での実践を進めていきます。

日本経済の土台は中小企業

 わが社はシステムの受託開発をメインに行っており、関東圏の企業との取引がほとんどでした。そこで昨年、社員たちに自分の仕事が地元新潟に貢献していることを実感してもらうため、社員からの発案で県内中小企業のDX化推進を支援するサービスを初めて自社開発しました。働く人々に伴走支援するサービスで、新潟県内の中小企業の付加価値と利益向上をめざしています。何社か受注しているものの全てには手が回らない状況ですが、ようやく地域に貢献できる会社になってきました。今後は他社とも連携しながら、ITを活用して地域の困りごとを解決できる会社にしていきたいと思っています。

会社概要

創業:2006年
従業員数:52名
事業内容:システム開発、ウェブサイト構築、システムインテグレーション
URL:https://www.impressive.jp/

「中小企業家しんぶん」 2025年 8月 15日号より