中同協関西ブロック(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)は、4~6月期の景況調査を実施し、7月25日、その結果を基に合同記者発表を行いました(回答企業3617社、回答率40・5%)。
冒頭、森嶋勲・大阪同友会代表理事が「自助努力の上でよい経営環境をめざして要望提言を行おうというのが当会の矜持(きょうじ)。従業員20人以下をボリュームゾーンとした中小規模事業者の実態を伝える機会に」とあいさつしました。
続いて、大阪経済大学経済学部教授の下山朗氏が調査概要について報告。コロナ禍からの回復が印象づけられた昨年度に続いて売上、利益ともに改善傾向にあるものの、依然として販売単価DI<仕入単価DIの構図は変わらず、資金繰りの改善は鈍い結果となりました。ただし府県による回答傾向の違いもあり、各地域における産業構造を反映した解釈が必要との指摘がされました。
賃上げは58・6%の企業で「実施済・予定」(平均で9636円/年収ベース3・0%増)と回答も、原資については「十分といえない」「ほとんどない」が合わせて55・7%と厳しい現状が明らかとなりました。
過去3年間に採用を行った企業での従業員の在籍率は、「全員在籍」(45・9%)が最多回答。また現状と10年後の社員構成(日本人、外国人、障害者、高齢者)を尋ねると、10年後には現在よりも日本人の中途・非正規が大きく減少し、外国人、高齢者の構成比が伸びる結果となりました。
中小企業白書にある4類型のうち自社が該当するのは「生活インフラ関連型(63・1%)」と「地域資源型(23・3%)」が8割を超え、清掃や伝統行事、文化、治安など地域の持続可能性を中小企業が支えている実態も明らかになりました。4類型いずれにおいても、地域の雇用へ果たす役割は高い回答率で共通していますが、持続的な賃上げには利益水準の確保が前提となり、製造業なら労務費の価格転嫁、非製造業では一般消費者も値上げの妥当性について意識を変えていくような中小企業への理解促進が必要との指摘がされました。
関西ブロックでは3回目の2018年以降、毎年記者発表を開催しています。2020年にはコロナ禍発生直後の影響に高い関心が寄せられ、関西各地より報道機関12社の取材参加がありましたが、以降は回答数は伸びているものの発信力がやや頭打ちになっている現状です。記者発表では下山氏より改めて「中小企業の経営実態を継続的に明らかにする」ことの意義が言及されました。必ずしも大きなインパクトを表す結果に限らず、中小企業の経営現場の生の声と、経営環境の構造・影響について社会に届くような発信機会の工夫は引き続きの課題です。
「中小企業家しんぶん」 2025年 8月 25日号より









