【代表理事に聞く】
同友会があったから今がある 同友会理念の共感を広げ、地域の活性化へ 
(株)南光 代表取締役会長 上田平 孝也氏(鹿児島)

各同友会の代表理事による連載「代表理事に聞く」。今回は上田平孝也氏((株)南光代表取締役会長、鹿児島同友会)の実践です。

会社紹介

 (株)南光は1971年に私の父が創業し、2001年に私が2代目として事業を承継しました。そして2025年6月より会長に就任し、3代目(従兄弟)へ事業を引き継いでいます。

 父はもともと自動車の板金修理を行っていましたが、当時の鹿児島には鉄板を切ったり曲げたりできる会社がなく、大変困っていたようです。そこで「鉄板加工ができれば自社だけでなく同業者の助けにもなる」との思いから、(株)南光を創業しました。

 創業者が常に語っていたことは2つで「来る仕事は断るな」「南光は製造業でありながらサービス業である」でした。この言葉を徹底して実践した結果、建築金物関連、半導体製造装置関連、プラント・搬送装置関連、自動車関連、環境関連機器など、多岐にわたる分野の仕事を担うようになりました。

同友会との関わりと思い

 鹿児島同友会は1988年に設立されました。私の叔父(創業者の弟)は設立とほぼ同時に入会し、主に共同求人活動に取り組んでいましたが、2000年に病のため他界しました。その際「同友会はよい会だから入りなさい」と勧められ、私も入会しました。当時は専務という立場でしたが、経営に関する知識が全くなかったため、学ぶよい機会となりました。

 入会後は私も主に共同求人活動に携わり、2008年に共同求人委員長、2012年に求人共育委員長、2015年に副代表理事、そして2020年に代表理事を拝命し、現在に至っています。小さい頃から人前に出ることが苦手で、できれば人と話をしたくない性格でしたが、同友会で共通の目的を持つ仲間と語り合うことで、人前に出ることも、人と話すこともある程度できるようになりました。「役が人を育てる」と言いますが、まさにその通りだと感じています。

 もう1つの転機は、全国行事への参加でした。入会後しばらくは鹿児島同友会の中で先輩経営者の話を聞き、学び、まねをしてきましたが、初めて全国行事に参加した際、さらに素晴らしい考え方を持ち、実行している経営者が全国には多くいることを知りました。「井の中の蛙」であった自分にとって、まさに「目からウロコ」の体験であり、帰鹿後、自らの経営姿勢を見直すきっかけとなりました。

 その直後、リーマンショックが発生し、弊社は3期連続赤字、債務超過という厳しい状況に陥りましたが、「雇用は守る」と宣言し、残った社員と共に「幸福創造業」という基本理念を掲げて変革に取り組みました。社員がついてきてくれたおかげで、会社は復活を果たすことができました。

 同友会での学びがなければ、弊社は今ごろ世の中から忘れ去られていたと思います。私は「同友会での学び」=「同友会理念」だと考えています。この理念に共感・共鳴してくださる経営者を増やすことが、それぞれの会社の発展につながり、さらには地域の活性化にも結びつくと信じています。

 鹿児島県は離島が多く、まだまだ会員拡大の余地があります。その思いから、昨年度より奄美大島群島で同友会の輪を広げるために「奄美プロジェクト」を立ち上げ、活動を進めています。また、今年度からは「共育型インターンシップ」にも取り組み、将来的には「消滅可能性自治体」をなくし、「自立持続可能な自治体」を増やしていきたいと考えています。

 鹿児島同友会は多様な活動を展開し、すでに成果も表れつつあります。今後も「ありたい姿」=「10年ビジョン」の達成に向け、鹿児島同友会一丸となって力強く前進してまいります。

会社概要

設立:1971年
資本金:1億円
社員数:230名
事業内容:金属製品製造業
URL:https://nanko.co.jp/

「中小企業家しんぶん」 2025年 9月 5日号より