変革を成せ 経営指針の実践で作る強靭な企業 
2025第9回経営労働問題全国交流会in茨城

 8月28~29日、「変革を成せ~激変の外部環境を受け止め、経営指針の実践で作る強靭な企業」をスローガンに2025第9回経営労働問題全国交流会が茨城で開催され、43同友会・中同協から290名が参加しました。

 1日目は、開催地を代表して永岡誠司・茨城同友会代表理事と主催者を代表して広浜泰久・中同協会長のあいさつからスタートしました。続いて山田茂・中同協経営労働委員長が、「『人を生かす経営』で未来を拓く~今こそ原点回帰を」と題して今年発表から50年を迎えた「労使見解」が議論されてきた背景や自身のこれまでの実践を振り返りながら、「労使見解」を基にした経営指針の成文化・実践・「確立」を提起。その後、事例報告として茨城同友会の池田裕児氏((有)歌舞伎あられ池田屋代表取締役)、岡山同友会の門田悦子氏((有)田中製作所代表取締役)が登壇し、それぞれ「変革」と「労使見解」をキーワードに自社での実践を報告しました。問題提起と事例報告を受けてのグループ討論では、茨城同友会が活用しているアウトプットシートを使ってそれぞれのグループで学びを深めました。

 2日目の基調講演は、「『労使見解』発表から50年、人間尊重経営の本質とは~その変遷と現代的解釈」と題して駒澤大学名誉教授の吉田敬一氏が登壇しました。吉田氏は労使見解作成の歴史的背景から同友会運動の骨格形成過程、労使見解の今日的意義、そして同友会型企業の歴史的存在意義について講演(中小企業家しんぶん6月15日号2面参照)。グループ討論では、同友会型企業づくりの実践と運動としてどう推進していくかを議論しました。

 最後に、玄地学・中同協経営労働副委員長が「今回のテーマである変革を成すために(1)労使見解の歴史とエッセンスを学びましょう、(2)自社事業の再定義と顧客の再定義をしましょう、(3)社員と共に経営指針の実践と確立を。そのためには現状認識を社員と行うこと。同友会運動を牽引(けんいん)する経営労働委員会として各地でこの運動を広げていきましょう」とまとめ、2日間の交流会を終了しました。(本紙10月15日号で特集予定)

 終了後には同会場にて2025年度第1回中同協経営労働委員会が開催され、26同友会・中同協から81名が参加しました。

「中小企業家しんぶん」 2025年 9月 15日号より