環境経営の輪を広げる 中同協環境経営委員会

 9月29~30日、中同協環境経営委員会が山梨で開催され、7同友会と中同協から25名が参加しました。

 1日目の冒頭は、開催地を代表して田中昇・山梨同友会代表理事があいさつし、続いて赤津加奈美・中同協環境経営委員長が開会あいさつを行いました。

 その後、北原正倫氏(山梨同友会環境経営委員長/山梨住宅工業(株)代表取締役)が、環境経営の実践事例集の作成や山梨版「同友エコ」の実施など、山梨同友会環境経営委員会の取り組みを報告しました。

 議題では、まず第9回環境経営・地球環境交流会in広島の振り返りを行いました。参加者からは、「地域の課題について環境経営という切り口で取り組み、さらに自社を発展させている企業から環境経営の具体的な姿を学ぶことができた」といった感想が述べられました。続いて「同友エコ」の改善案の提案、今後の委員会のスケジュール確認などが行われました。活動交流では、「環境経営の手引き作成を進めている」「環境省地方事務所との連携を積極的に行っている」など、各地同友会の取り組みが報告されました。

 2日目は企業見学を実施。環境にも人にも優しい化粧品の製造・販売を行う(株)環境保存研究所、環境省「自然共生サイト」に認定された複合観光エリアを運営する萌木の村(株)、生物多様性の維持に取り組む稲作農家の(株)今井農園を訪問しました。

 萌木の村(株)が運営する、約3万2000平方メートルの「ナチュラルガーデンズMOEGI」は、無農薬・無化学肥料で700種を超える植物を育て、多様な生き物が共生する環境を保全するとともに、ガイドツアーなどを通じて環境教育にも力を入れています。

 (株)今井農園は、自然循環型農業を実践する稲作農家で、化学肥料に頼らず生物多様性を守る田んぼづくりを進めています。「アイガモロボ」といった最新の機械も取り入れながら、環境負荷の少ない米づくりを通じて地域の自然保全に貢献しています。

 見学を通じて、地域の豊かな自然と調和しながら経営を行う企業の取り組みに多くの学びを得ました。今後も、環境経営の理念を地域に根ざした実践へとつなげていくことの大切さを再確認する機会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2025年 10月 15日号より