特集:第28回女性経営者全国交流会in東京 
GRADATION! 咲き誇れ、じぶん色、みんな色

9月5~6日、第28回女性経営者全国交流会(略称:女全交)が東京で開催され、46同友会と中同協から1105名が参加しました。今回の特集では、主催者あいさつ、まとめ、記念講演などを紹介します。

■主催者あいさつ
中同協会長 広浜 泰久氏

今回の女全交には3つの開催目的があります。

1つ目は「女性のキャリアの早回し」です。報告者からグループ長までの担当を女性が務め、「経験=キャリア」を重ねる機会に挑戦しました。

2つ目は「共感型リーダーのロールモデルに出逢(あ)う」こと。どの分科会も大変高い評価で、素晴らしい多くの経営者がいることを皆さんも実感されたのではないでしょうか。

3つ目は「心理的安全性のある場の創出で、課題を言語化し社会を変える私たちになる」こと。女性経営者の方々が赤裸々な内容まで報告されるのも、心理的安全性があるからこそだと感じます。

同友会は今、新しいステージで「社会を変える私たちになる」使命を果たそうと運動を展開しています。実は、目的の最初に「自社と自分の成長のために」という言葉があります。皆さんと共に「成長し、その力で社会を変えていく自分たちになる」ことを誓い、開催のごあいさつとさせていただきます。

■2日間のまとめ
中同協女性部連絡会代表 橋本 久美子氏

女性は、これまでの社会的な雰囲気から、意識しないと主導権を相手に委ねて助手席に座ってしまいがちです。その癖を「自分でハンドルを握る機会にしたい」と、今回は、報告者、座長、室長、そしてグループ長をすべて女性が担う挑戦をしました。不安もありましたが、この日のために経験値を上げてきたこと、そして皆さんの協力もあって、実現することができました。

この挑戦を通して私が伝えたかったのは「経験の量は質を高める」こと。記念講演講師の船橋屋・神山さんの「行動したからこそ見ることができる世界がある」という言葉にあるように、だからこそ私たちは挑戦し続けるんです。

これから「次は室長や座長に」と、自分で枠を決めずに思い切ってそれを超え、多くの女性が活躍するきっかけになったらうれしいです。

「企業が変われば、社会の意識や行動が変わる」。中小企業はスピード感をもってハンドルを切れるからこそ、社会を変えられる可能性がたくさんあります。そうして日本を変えていきたいです。

■東京グラデーション宣言
第28回女性経営者全国交流会実行委員長 白川 亜弥氏

女全交の開催にあたり、全国から多くの女性経営者が集まるこの機会を私たちが新しい一歩を踏み出すきっかけにしたい。また、東京だからできることがあるのではという思いを抱きながら準備を進めてきました。

人はそれぞれ違って当然です。女性であることや男性であること、それはその人の個性を構成する1つの要素に過ぎません。それぞれの強みを生かし、互いに補い合い、手を差し伸べ合う関係を築くことで、もっと自分らしく生き生きと活躍できる社会になるのではという思いを、テーマ「GRADATION!咲き誇れ、じぶん色、みんな色」に込めました。このテーマを大切にしていただいたことに、心から感謝しています。

東京都では、今年度の方針に女性活躍推進が明記されています。今こそ私たちがファーストペンギンとなって一歩を踏み出す時だと考え、実行委員会や理事会で議論を重ね、「東京グラデーション宣言」をまとめました。この宣言が、全国各地で未来を変える一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

■閉会あいさつ
第29回女性経営者全国交流会実行委員長 西 良旺子氏

第28回女全交、本当にお疲れさまでした。白川さんのごあいさつを聞いて、胸が熱くなりました。今回の主要な担当を全員女性が務めるという、奇跡のような布陣。でも、今後はこれが当たり前になっていくんだろうなと感じています。

分科会や記念講演では、「信頼」や「居場所」について深く考えさせられ、ここでしか得られない学びがありました。テーマの「GRADATION! 咲き誇れ、じぶん色、みんな色」にあるように、「自分は自分でいい」と優しく包まれたような気がします。この仲間に出会えて、やっぱり女全交が大好きだと、改めて再確認しました。

来年、担当する兵庫同友会では、初の女全交設営に挑戦中です。大変なこともありますが、「大変」とは「大きく変わる」こと。兵庫らしく、兵庫にしかできない全国交流会をつくっていきます。来年は兵庫でお会いしましょう。

「中小企業家しんぶん」 2025年 11月 5日号より