同友エコ受賞企業(奨励賞) 
クリーンで地域の笑顔を創る 
(有)菅原産業 代表取締役 菅原 則和氏(長崎)

同友エコ2024―2025受賞企業を紹介する本連載。今回は、奨励賞を受賞した(有)菅原産業(長崎同友会会員)の取り組みを紹介します。

経営者としての第一歩

 修学旅行で訪れた東京で出合った、巨大な橋の工事現場に魅力を感じ、現場監督として全国を飛び回っていた菅原氏が(有)菅原産業に入社したのは30歳のときでした。1984年に父が創業した同社は一般廃棄物回収を主軸とした会社。その後新たにリサイクル施設を整備し、本格的にリサイクル事業に取り組むことになります。

 転機は菅原氏が41歳、入社から11年経ったときでした。父の病が発覚、進行も早く覚悟も整理もできないまま他界したことに伴い、事業承継することになります。不安を持ちつつも、地域のために働いていた先代の背中を思い出し、一歩ずつ経営に取り組むことになります。

気づきをカタチに、想(おも)いを行動に

 もともと自分の考えを押し通すタイプだった菅原氏。社員の退職が続くもその理由がわからず壁にぶつかる日々が続きます。そこで出合ったのが同友会。多様な経営者との関わりで「人を巻き込む力」の重要性に気づきます。

 1つのきっかけは共同求人委員会活動の一環である大学でのインターンシップ受け入れ授業でした。会社の魅力や経営者の想いをしっかり伝えると産廃の業界にも興味を持ってもらえるという実感、実際にインターンシップに参加した学生から得られる学び、何より社員を巻き込むことによる全社を挙げてのインターンシップ受け入れが同社にとって貴重な化学反応をもたらしました。今まではお金を稼ぐための社員という存在が、共に楽しく働く環境をつくる仲間に変わったのです。ここでさらに同社を押し上げたのが環境経営への取り組みでした。

 外部からの信頼、社員のモチベーション、そして会社としての責務。エコアクション21と長崎県独自のSDGs認証制度への取り組みによって社内の業務を見直し、またCO2削減量など数値の見える化を図り、個別・独自の評価制度に盛り込むなど環境への配慮と会社経営をまさに両輪として展開しています。

地域の拠点に

 2025年8月、念願のコミュニティ拠点「Sea-MT エコベース」を、地元多良見町にオープンしました。資源を持ち込むと現金に還元できるこのスペースは、地域の方にもっと身近に環境やリサイクル・アップサイクルなどを感じてもらえる場所でありたいと願っています。それは同社が10年ビジョンに掲げる、「ゴミはエンターテインメント」にもあるように地域や人の“美しい”を“護る”=護美(ゴミ)への意識と理解を深める取り組みでもあります。将来的には有機廃棄物のセラミック化技術により、ゴミを焼却し灰にするのではなく、資源として循環させるシステムを導入し、CO2削減やカーボンクレジットなどの環境貢献型のビジネス展開も視野に入れています。同時に環境経営への取り組みの重要性を語れるよう、環境カウンセラーの資格取得にも意欲を見せています。

環境経営とダイバーシティ経営を両軸に

 女性の幹部を両腕に、10年以上継続する障害者雇用と近年取り組んでいる新卒採用。ダイバーシティの経営の実践も同時進行の菅原氏は「自分たちが楽しんで仕事をすることが大事、そしてその仕事を本気でするからこそ伝わる」という想いを持っています。それは経営理念にもある「クリーンで地域の笑顔を創る」「リサイクルで環境への優しさ、思いやりを創る」にもつながっています。そんな笑顔や思いやりを乗せたパッカー車が今日も長崎の街を走り抜けます。

会社概要

創業:1984年
従業員数:27名
事業内容:困りごと解決業(廃棄物処理業・リサイクル業)
URL:https://www.sugahara-sangyou.co.jp/

「中小企業家しんぶん」 2025年 11月 15日号より