特集:各地同友会の経営研究集会・フォーラム

10月から11月にかけて、多くの同友会で学びを深める経営研究集会・フォーラムが開催されています。今回の特集では、山梨、京都、奈良、熊本、宮崎同友会の様子を紹介します。

「山梨で生きる」をテーマに開催
第8回やまなし経営者フォーラム【山梨】

「年に1度の同友会day」として毎年実施するやまなし経営者フォーラム。10月29日に160名の参加で開催しました。

テーマに「山梨で生きる~地域と共に歩み つくる未来」を掲げ、地域に根ざす中小企業の今日的な役割と今後のあるべき姿を学び合い、探究しました。

分科会は設けず、基調講演のリレー報告を実施。銚子電気鉄道(株)の竹本勝紀社長からは「地域に根ざし、地域になくてはならない企業づくり」、長野大学社会福祉学部の飯塚秀彦准教授からは「生きること・働くこと・学ぶこと~学校教育から期待される中小企業の力」と題した講演がありました。

竹本氏の講演からは、事業領域の再定義の重要性、決してあきらめない行動、勇気を持った「ワンクリック」が運命を左右することもあることなど、まさに中小企業だからこその経営実践と経営者の姿勢を学びました。

飯塚氏は、群馬、長野、山梨の同友会で高等学校と同友会の連携をコーディネートしてきました。今の若者を取り巻く教育環境や総合的な探究の時間の活動、中小企業で高校生が学ぶことについて、豊富な事例をもとに提起しました。特に情報からではなく、「実感をもって理解する学び」は中小企業での職場体験やインターンシップが重要な役割を果たし、学校は、生きること・働くこと・学ぶことを探究し続ける中小企業家の教育力に期待していると語りました。

また当日は、山梨県信用保証協会会長、日本政策金融公庫甲府支店長、山梨中央銀行頭取、甲府信用金庫常勤理事を来賓として迎えました。

今年度は荘司祐理実行委員長(佐野電気エンジニアリング(株)代表取締役社長)を先頭に、フレッシュなメンバーの実行委員がフォーラムをつくり上げ、当日入会者も出るなど盛り上がりをみせました。

激動の時代を乗り越えるために~パラダイムシフト出来る企業を目指そう
第25回京都経営研究集会【京都】

京都同友会は第25回となる京都経営研究集会(京研)を10月28日に開催しました。

テーマは「激動の時代を乗り越えるために~パラダイムシフト出来る企業を目指そう」とし、現地とオンラインを合わせて約900名が参加しました。

本研究集会は3部制で、第1部では6つの分科会を設営し、人を生かす経営、自己姿勢・経営姿勢の確立、事業承継、事業領域の拡大など、中小企業を取り巻くさまざまな観点から報告が行われました。

第2部では、「未来を託す覚悟と挑戦~次世代への事業承継と組織変革のリアル~」をテーマに、(株)スカイスクレイパーの西牧大輔代表取締役会長と諸沢莉乃代表取締役社長を講師に迎え、(株)ワールドサニーの小坂洋平代表取締役社長(副実行委員長)がコーディネーターを務め、3名によるパネルディスカッションを行いました。

若年者による第三者承継という挑戦を通じて、承継する側・される側双方の想(おも)いや、変化を受け入れる組織づくりについて具体的に語られ、同友会が大事にしている理念経営に通じるポイントも多く、参加者に多くの共感をもたらしました。

第3部では懇親会を行い、地域や業種の垣根を越えて参加者同士が交流を深める場となりました。激動の時代にこそ、学びを得て、自社を変えていく。参加者は過去最高の900名という過去最高で、学び多き研究集会となりました。

自社だけではできない学びで「人を生かす経営」を深める
2025経営フォーラム【奈良】

奈良同友会は10月24日、2025経営フォーラムを奈良ロイヤルホテルにて開催しました。「自社だけではできない学びを」と呼びかけ、経営課題や企業規模がそれぞれ異なる3つの分科会と、その3分科会の学びを結び交わすパネルディスカッション形式の全体会で行い、会内外から134名が参加し学び合いました。

第1分科会「わっき~流 自立型企業の作り方―あり方を追求し続ける経営」(訪問介護おっはー管理者脇阪麻水氏【奈良】)では、法定の報酬額がある福祉事業の視点から、価格決定権と地域における自立型企業について深めました。第2分科会「若者に選ばれる企業づくり―ここで働きつづけるビジョンを描く」((株)EVENTOS代表取締役川中英章氏【広島】)では、採用や社員教育において利益の使い方を説明するために10年ビジョンを描き向き合っているかという提起に学び合いました。第3分科会「一人ひとりが力を発揮する企業づくり―誰もが働きやすい組織づくりとは」((株)BeBlock代表取締役松村祐輔氏【愛知】)では、傾聴・共感・提案など「労使見解」の具体的行動を掘り下げて考えました。

全体会では報告者3名の失敗談から始まり、理念やビジョン、そして人を生かす経営を中核にした採用・育成・財務基盤・社内の仕組み化などが取り組みの事例を交えて語られました。「労使見解」の精神に学びながら現代的な解釈と実践をし、21世紀型中小企業づくりをめざすことの意義が再確認されるパネルディスカッションとなりました。

奈良同友会で経営フォーラムと冠した事業に始めて取り組んだ今回、支部と4委員会が関わり合いながらオール奈良で準備を進めました。全体会では、来年開催する「第9回人を生かす経営全国交流会in奈良」の藤枝一典実行委員長(フジエダ珈琲(株))が、「明日から各社で学んで実践を重ね、1年後に実践を持ち寄ってまた学び合いましょう」と呼びかけ、締めくくりました。

自分が変われば未来が拓ける
第34回みやざき中小企業経営フォーラム【宮崎】

宮崎同友会は11月7日、「燃やせ! 開拓者魂~自分が変われば未来が拓ける~」をテーマに、第34回みやざき中小企業経営フォーラムを202名の参加で開催。今経営フォーラムは、2013年に設立したひむか支部地域での初開催でした。

実行委員長の小原農園代表・小原拓也氏(ひむか支部理事)は農業を営んでおり、独りで悩んでいる経営者・農業経営者に同友会を知ってもらいたいと企画しました。

会場設営でもひむか支部のチカラを発揮。日頃から付き合いの深い高鍋信用金庫の会議室で2つの分科会を実施し、養豚業の見学分科会も行いました。全体会は高鍋町美術館のホールを使用し開催しました。

第1分科会では「価値はつくれる~地域で花咲く仕事づくり」と題して(株)クラベル・ジャパン代表取締役社長の平田憲市郎氏(佐賀同友会代表理事)が、第2分科会では「中小企業家の旅路~本気の同友会活動と不離一体経営」と題して(有)永田鋼管工業代表取締役の永田廣樹氏(鹿児島同友会副代表理事)が、第3分科会では「共感される企業へ~『未来投資型』事業への挑戦」と題して(株)中仙代表取締役の中山章博氏(県北支部代表幹事)が、第4分科会(見学分科会)では「“かち”続ける力~自社を見つめ環境を知り実践に生かす」と題して(有)尾鈴ミート代表取締役の遠藤太郎氏(ひむか支部)が報告しました。

記念講演では、今経営フォーラムのテーマである「燃やせ! 開拓者魂~自分が変われば未来が拓ける」と題して、第1分科会でも報告した(株)クラベル・ジャパン代表取締役社長の平田憲市郎氏(佐賀同友会代表理事)が登壇。その後は、他分科会だった人とも学びを共有する懇親会も盛り上がりました。

共創~つながりから生まれる無限の可能性
経営フォーラムくまもと2025【熊本】

11月7日、熊本同友会は「共創~つながりから生まれる無限の可能性~」をテーマに、経営フォーラムくまもと2025を開催しました。

当日は来賓23名を含め350名を超える参加者が集い、基調講演と4つの分科会を通して仲間と共に学び合い、地域と共に歩む中小企業の姿を深める場となりました。

基調講演では、長野同友会の手塚良太氏((有)テヅカ精機代表取締役社長)が登壇。元バンドマンから家業を継ぎ、「月曜日がワクワクする会社」を理念に掲げて改革を進めた経験を紹介しました。社員と対話を重ねながら、“何のために経営するの”を共に考え抜く姿は、まさに「共創」の実践でした。

第1分科会では、宮城同友会の廣中聡氏(クラシタス(株)代表取締役社長)が、「建築業から地域社会デザイン業へ」と事業を再定義し、理念・戦略・人づくりを結びつける経営のあり方を語りました。第2分科会では、北海道同友会の敬禮匡氏((株)レイジックス代表取締役)が、債務超過から再起して「人間尊重経営」へ転換し、社員理念「5つの力」を軸に、信頼と挑戦の文化を育む実践を紹介しました。

第3分科会では、京都同友会の老舗洋菓子店「村上開新堂」4代目の村上彰一代表取締役が、社員主体で新ブランドを立ち上げ、伝統と革新を両立する挑戦を語りました。第4分科会では、香川同友会の川村和史氏((株)ママズ代表取締役)が、学校・企業・同友会が連携する「共育型インターンシップ」を紹介。若者と地域が共に学び合い、未来を育てる取り組みを報告しました。

5名の報告に共通していたのは、“経営は人づくりであり、地域づくりそのもの”という信念です。このフォーラムを通して、「共創」というテーマの意味を改めて実感したという声が多く寄せられました。

それぞれの会社が社員や地域と向き合いながら、自分たちらしい共創の形を描いていました。

「中小企業家しんぶん」 2025年 12月 5日号より