EUとフランスにおける中小企業政策の動向 中同協企業環境研究センター公開研究会

12月3日、オンラインで中同協企業環境研究センター(以下、研究センター)の公開研究会が開催され、各同友会および中同協から23名、研究者8名の計31名が参加しました。

冒頭、植田浩史氏(研究センター座長/慶應義塾大学経済学部教授)があいさつし、続いて山口隆之氏(関西学院大学商学部教授)が「フランスとEUの最近の中小企業政策」と題して報告しました。

山口氏は、EUの中小企業政策の歴史やフランスの産業構造、戦後の政策展開を概観。近年EUでは、中小企業と地域の連携を強める「地域エコシステム」や、就労機会の平等、公正な労働条件、社会保障・包摂の3本柱から成る「欧州社会権」が注目されており、社会的包摂の観点からの支援が拡大していると述べました。また、フランスの近年の取り組みとして、手続きを簡素化して起業を容易にする自己雇用主制度、中堅企業支援、企業・教育機関・研究機関を巻き込み競争力を高める「競争力クラスター」などが紹介されました。

その後の質疑応答では活発な議論が交わされ、日本の中小企業政策を相対的に捉える上で有意義な機会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2025年 12月 25日号より