【代表理事に聞く】
学びの愚直な実践が会社の原動力 
本田興業(株) 代表取締役 本田 哲氏(北海道)

 各同友会の代表理事による連載「代表理事に聞く」。今回は本田哲氏(本田興業(株)代表取締役、北海道同友会)の実践です。

100年の歴史を、次代へつなぐ

 本田興業(株)は1934年に金物店として創業し、私で3代目になります。住宅設備工事やガラスサッシ工事を通じて地域の暮らしを支えながら、2034年の創業100周年という大きな節目を、次代のリーダーへ最高の形で引き継ぐことが、現在の私の使命です。100周年をめざして私たちが掲げるビジョンは「たくましく、そしてやさしく」。小さな会社であっても、社員が「ここで働いてよかった」と心から言える、楽しく明るい働きがいのある会社づくりを大切にしています。

「学び」を「実践」に変える、徹底した現場主義

 同友会で学んだ多くの気づきは、自社の中期ビジョンや経営計画づくり、チームづくり、社内アンケートなど、具体的な実践へとつながってきました。会員同士の交流を通じて、会社の方針や自分自身の姿勢を客観的に問い直す機会を得られたことも大きな財産です。

 かつての私は、同友会に参加していても、自分のためだけに学ぶ“同友会ごっこ”の延長に過ぎませんでした。しかし副代表理事に就任したことをきっかけに、「社員と会社のために同友会を生かす」という覚悟が芽生えました。以来、例会や研修で得た学びを即実践し、現場の声に耳を傾け、自社を客観的に見つめ直すというサイクルを愚直に続けています。

 当社では同友会活動を「社外活動」ではなく「社内活動」として位置づけ、社員も積極的に同友会へ参加し、「人を生かす経営」を共に学ぶことで、社内の雰囲気は大きく変わりました。学びを生かそうとする前向きな空気が生まれ、社員1人1人が自分の役割を主体的に考えるようになっています。私自身も、よいと思った取り組みは遠慮せずに“徹底してパクる”姿勢を貫いており、こうした泥臭い取り組みの積み重ねこそ、今の本田興業を支える原動力になっています。

5500名の仲間と描く、北海道の未来

 北海道同友会は創立56周年を迎えた今年度に、初めて本格的な中期ビジョン「2030ビジョン」を策定しました。

 広大な北海道には5500名の多様な会員が集まり、それぞれが異なる地域性や課題を抱えています。同時に、同友会内部でも理念の理解度や目的意識の差が広がっており、組織としての方向性を改めて共有する必要性が高まっていました。変えてはいけない「同友会理念」を軸に据えつつ、その表現や実践のプロセスは時代に合わせて進化させる―その思いの結晶が、この「2030ビジョン」です。スローガンは「地域に役立つ企業を目指し、『共創』で自社の存在価値を高めよう」。「共創」は、人を生かす経営そのものを指し示しています。社員と経営者が互いの価値観を尊重し合いながら、新たな価値を生み出していく姿勢―これこそが、激動の時代を生き抜く企業の条件だと考えています。企業づくり、同友会づくり、事務局づくりに至るまで、すべての土台に共創があります。

 「2030ビジョン」は、5500名の仲間が同じ未来を描くための新たな道しるべです。これからも会員同士で共創しながら、北海道の未来を切り拓いていきます。

会社概要

設立:1934年
資本金:1,000万円
社員数:23名
事業内容:住宅設備工事(設備部)、ガラスサッシ工事(サッシ部)
URL:https://honda-k.co.jp/

「中小企業家しんぶん」 2026年 3月 5日号より