沖縄同友会では、2月7日~3月21日の土曜日を活用し「戦後80年を経て、平和と経済、沖縄近代史を学び未来へつなぐ」をテーマに、同友会大学第16期大学院特別講座(全5講)を開講。のべ126名が参加しました。座学と視察を組み合わせ、講義後には同友会らしくグループ討論を行いました。
第1講は、(有)プロジェクトZenko代表取締役の伊良皆善子氏(沖縄同友会会員)、第2講は、沖縄大学客員教授の新城俊昭氏が戦争犠牲の本質や事実をどう見極めるか、また晩発性PTSDに苦しむ戦争体験者の現状を解説。「今を生きているわれわれが未来に対する責任を持っている」と、教育と継承の大切さを学びました。第3講では、沖縄国際大学経済学部教授の前泊博盛氏が「観光」「県人口」「基地経済」「振興」「産業」の5つの切り口から、戦後復興から復帰、自立経済への課題について、データ・統計の確度と乖離(かいり)について講義を展開。
第4講は沖縄県平和祈念資料館(糸満市)にて、(株)ナラティブ代表取締役の永田健作氏(会員)による講話とガマ(避難や野戦病院に使用された洞窟など)の様子を描いた平和劇を観劇しました。永田氏は戦争証言者から聞き取り調査を進め平和劇を制作し、後世に伝えるため、小中高校などで平和劇の開催などに尽力しています。第5講は創価学会沖縄研修道場(恩納村)で学会沖縄事務局長の桑江功氏の案内で「日本に唯一現存する核ミサイル発射台」(冷戦当時沖縄県内に4カ所設置)や沖縄戦を経験した住民が描いた「沖縄戦の絵」などを見学しました。
ここで、2月7日の第1講「戦争に翻弄(ほんろう)された平和の使者・青い目の人形たち」を紹介します。
講師の伊良皆氏は終戦直後の1945年10月に、山原(やんばる/沖縄本島北部)にあった収容所のヤギ小屋で生まれた、現在80歳の現役女性アナウンサーです。1992年から童謡のふるさとを訪ねて全国を取材し、童謡の背景にある愛と平和のメッセージの語り部として国内外で活動しています。童謡「青い眼の人形」から興味を持ち、独自に調査をしてきました。
青い目の人形は1927年に「平和は子どもたちから」の友好親善使節として、アメリカから日本へ1万2000体余りが贈られ、日本からも58体の答礼人形が贈られるなど交流が広がりました。しかし、戦争が始まると「憎い敵だ許さんぞ」と迫害され、焼かれ捨てられ全国で300体余りしか現存せず、激戦地だった沖縄ではまだ1体も見つかっていません。
はたして日本は今、平和でしょうか? 日本の子どもたちの幸福度は身体的には上位ですが、精神的には下位だそうです(ユニセフ2025年発表:先進・新興国36カ国中身体的1位、精神的32位)。
伊良皆氏は、先に生まれた者の責任として「愛と平和のメッセージを明日へ、未来へ」童謡を歌うことで社会貢献していると語りました。
戦後80年を経て、体験者から直接話を聞く機会はなくなりつつあります。私たちには、童謡や人形、講話や演劇、戦争の遺構や絵などを通して、次世代へ戦争の悲惨さや醜さを伝えていく責任があります。
「中小企業家しんぶん」 2026年 4月 15日号より










