中東情勢の緊迫化を受け、各同友会では会員を対象にした緊急影響調査が行われています。3月末~4月中旬にかけて行われた4つの同友会(愛知・山梨・岩手・富山)の調査結果からは、中東情勢の影響が大きく広がっていることが浮き彫りになりました。
すでに影響が出ている企業は、4~7割程度。今後影響が出る可能性がある企業も含めると8~9割の企業に及び、広範囲に影響が広がりつつありす。また、調査実施日順に見ると、後になるほど影響が広がっている傾向が見られます。
具体的な影響としては、「原材料・資材価格の上昇」が最も多く、「エネルギー価格の上昇」「仕入れ・調達の困難」の順で続いています。
企業の声としては、「建材メーカーから毎日のように値上げの連絡がある。塗料材の値上げが100%。仕入れ不可能になっている」(建設業)、「材料の値上げが20%アップの案内が来ている。材料の出荷規制が始まっており、ポリエチレンが入手できない」(製造業)、「国内生産車種で中東向けが約半数を占めているため、3月は売上が半減となった。4月も同様の処置なので同じ結果となる。こんな状況下であっても自動車業界恒例のコストダウンは要求される」(製造業)、「2024~2025年賃金改定を実施したものの、物価上昇がかき消している感があるため、将来的な不安感が高まり、社員満足度が低下している」(流通・商業)などの声が多数寄せられています。先行きの不透明感から「オイルショックの再来」を危惧する声が強く、事業継続への深刻な懸念も示されています。
企業の対策としては「原材料や部品などの調達先の多様化」「在庫の積み増し」「コスト削減」「価格交渉・価格転嫁」などが多く挙げられており、さまざまな手を打ちながら今回の急激な変化に対応しようと努めている様子がうかがえます。
政府や自治体に対する要望としては、コロナ禍並みの緊急融資枠の設置や利子補給、消費税・社会保険料の減税・軽減を求める要望が目立ちます。また、下請け企業がコスト増を適切に価格転嫁できるよう、元請け企業への指導や監視を強めてほしいとの声も見られました。さらには、政府などからの正確な情報の発信を望む声や、紛争終結に向けた外交努力、円安の是正といったマクロな経営環境の改善を求める要望などが出されています。
調査結果を踏まえて、それぞれの同友会では県などへの緊急要望の提出・懇談、マスコミへの発表などを実施。新聞各社で大きく取り上げられるなど、注目を集めています。

「中小企業家しんぶん」 2026年 5月 5日号より










