地域で育てる、未来の担い手たち 各地で合同入社式・新入社員研修会を開催

新年度に入り、各地同友会で合同入社式・新入社員研修会が行われ、若者たちが社会人としての一歩を踏み出しました。その中でも今回は、宮城、茨城、福井、高知、長崎の取り組みを紹介します。

違いを認め、共に育つ【宮城】

宮城同友会の新入社員合同入社式&共育研修会は「新入社員が社会人としての心構えをつくること」「経営者や先輩社員が新入社員との関わりを通して、社員との関わり方や自社の社員教育を考えること」を目的に毎年開催しています。

今年は4月1日の合同入社式に24社86名(新入社員46名/助言者40名)、その後の夕食交流会には21社67名(新入社員34名/助言者33名)、4月2~3日の共育研修会は25社91名(新入社員48名/助言者43名)が参加しました。

合同入社式の記念講演では8Lゼミナールの村尾誠氏が「学生と社会人の違いは、お金を払いサービスを受ける側から提供する側になることです。新入社員の皆さんは会社にいるだけで社内の雰囲気を変えてくれる存在です。目標とする先輩を見つけて成長してください」とエールを送りました。

共育研修会では、「学生と社会人の違い」「マナー研修」「社会のルール」「コミュニケーションゲーム」「先輩社員の体験報告」を行いました。それぞれの講義で、ものさし(価値観・判断基準・人生観)はみんな違うこと、マナーの目的とは何か、チームで仕事を行う大切さ、大きな目標から自分が達成できる目標に転換することなどを学び合いました。

2日目の最後、粕川利史・共同求人委員長が、新入社員と会社代表/先輩社員に以下のエールを送りました。「(1)会社が社会から求められていることを知り、自分が会社から求められていること(どう貢献しているのか)を知りましょう。(2)報告、連絡、相談を通して人と関わりましょう。(3)目標とする1年後の自分の姿をイメージしましょう。そして、本日一緒に参加した経営者の皆さんは会社を維持し発展させる責任があります。来年、ここにいる新入社員が先輩になりさらに成長できるよう、会社の業績をよくしていくために学び続けましょう」

●先輩社員、経営者の感想

このような研修の場に中堅社員や2~3年目の先輩社員を連れてくることが私の役割だと思う。自社だけで補えないことを他社(他者)との関わりで気づき、成長できる。そのきっかけとなるようなこの環境を利用していきたい。

●新入社員の感想

ものさしの違いを認識し、受け入れていく姿勢を大切にしたい。不安や心配はあるが、気負いせずに日常的に小さな目標やタスクを1つ1つ達成していきたい。

1社ではできない学びを、仲間と【茨城】

茨城同友会では、4月2日に合同入社式および新入社員研修会を開催しました。企業の枠を超えて新入社員同士が出会い、仲間と共に学び合いながら社会人としての基礎を築くことを目的とした「共育」の実践の場です。

合同入社式では、鎌倉正行・社員共育委員長より「他社の仲間と共に切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長してほしい」とのあいさつがあり、「受け身ではなく自ら考え、発信する姿勢の重要性」が伝えられました。続いて新入社員代表が「期待と不安を胸に社会人としての一歩を踏み出した。仕事の積み重ねが信頼につながるということを大切にし、仲間と支え合いながら成長していきたい」と決意を述べました。

研修では、社会人としての心構えやビジネスマナーに加え、主体的に考え行動する力を養う実践的なプログラムを実施しました。委員や経営者も交えたグループ討論や体験ワーク、指示受けロールプレイを通じて、多様な価値観に触れながら自ら考えを深めるとともに、相手との関わり方や確認・質問の重要性を体感的に学びました。また、互いのよい点を伝え合うことで信頼関係の土台づくりにも取り組みました。

新入社員からは「自分の考えを言葉にすることの大切さを実感した」「仲間と学ぶことで視野が広がった」といった声が寄せられ、主体的に学ぶ姿勢が随所に見られました。

こうした取り組みを通じて、仲間と出会い、互いに高め合いながら共に育つ関係性の第一歩となりました。新入社員1人1人の主体的な成長が、企業づくり・人づくりへとつながります。次回は5月にリフレッシュ研修会をオンラインで開催します。入社後1カ月を振り返り、感じたことや課題、不安や悩みを同期と共有しながら、互いに支え合う関係づくりを目的としています。

9社24名の新たな同期、切磋琢磨を誓う【福井】

福井同友会では、3月31日に2026年度合同入社式・研修会を開催、9社24名の新入社員がそれぞれの決意を胸に第一歩を踏み出しました。企業の垣根を越えて新戦力を激励しようと2017年から実施しています。

式の冒頭、山内喜代美・代表理事は、米国とイランの戦闘に触れ「将来が不透明な時代の中で当たり前に生活できていることに日々感謝して仕事に向き合ってほしい」とエールを送りました。

新入社員を代表して増永眼鏡(株)に入社する3橋岳竜氏が増永宗大郎代表取締役から辞令を受け取り、「1日も早く社会の一員として信頼される存在になれるよう、精いっぱい励んでいきたい」と決意を述べました。その後、各社社長より辞令交付を行い、「働くということは、自分の成長ももちろんですが、人の役に立つということが実感できる場所です」「素直な心を持って苦手なこともまず1度はやってみてください。それが成長につながります」など熱いメッセージを送りました。

先輩社員として昨年入社したWALLESS(株)宮下聖十郎氏が、「困ったことは周りの先輩方に頼って、経験の中で小さなうれしさを積み重ね、一緒に頑張りましょう」とエールを送りました。

新入社員からは、「分からないこともたくさんあると思うが、先輩方に教えてもらいながら1つずつ物事を覚えていきたい」「明日から社会人として、自分がどれだけ就職する会社に貢献できるか、不安なところもありますが、同期もいるので一緒に切磋琢磨(せっさたくま)したい」など感想がありました。

第2部は、(株)子どもの笑顔代表取締役の岩堀美雪氏による「宝物は自分の中にある!~自己肯定感向上プログラム(TFP)で4月からさらに輝くあなた~」をテーマとした研修会が開催されました。

10月には、新入社員交流会を企画しています。同期の仲間としてつながりを一層深めていきます。

地域で育てる 人口減少下で迎える18名【高知】

高知同友会では、長年にわたる人口減少による慢性的な労働力不足の状況にある中、高知県政の最重要課題である「若者の労働力確保」のための政策に対する具体的な取り組みとして、会員企業を対象とした合同入社式と新入社員研修会を4月7日、オーテピア高知図書館研修室にて6社から18名の新入社員を迎え、社員共育委員会主催により開催しました。

冒頭に主催者を代表し永野正将・代表理事よりあいさつがあり、社会人として人生のスタートを切るにあたり激励の言葉として、「これから先、起きるであろうたくさんの問題を自身の課題と捉え、逃げることなく正面からぶつかっていってください。そうすれば必ず壁を乗り越えられるはずです。もしどうしてもダメだと感じた時には、職場の先輩や仲間に素直な気持ちで相談してみてください。それぞれによいヒントやアドバイスを必ずもらえるはずです」とあり、真剣に聞き入る新入社員たちの姿がありました。

その後、先輩社員からの激励の言葉として(株)片岡電気工事の大寺氏からは「私も4年前にこの合同入社式に参加させてもらいました。この間に何度か会社を辞めようかと思ったことも正直ありましたが、その都度、先輩や仲間に助けてもらって今があります。皆さんも今日初めて出会った仲間も含めて、人との関係を大切にしていってください」と激励のエールがありました。お昼休みには支給されたお弁当を食べながらの楽しい歓談の時間となりました。

午後からは(株)ビスタワークス研究所の結城氏より「新時代の到来、唯一無二の人財になる」をテーマに講演があり、グループ討論も活発に行われ、内容の濃い研修会となりました。

最後には参加した新入社員全員から決意表明の発表があり、記念写真を撮影して合同入社式を終了しました。

多様な関わりで視野広げる 共育の場で主体性促す【長崎】

長崎同友会では4月1日、ホテルフラッグス諫早(いさはや)にて「2026年度合同入社式」を開催しました。今年は9社から22名の新入社員が参加し、社会人としての第一歩を踏み出しました。

開式のあいさつで大城あゆみ・共育委員長は、多様な人との関わりの中で物事の捉え方が広がっていくことに触れ、「教えてもらうだけでなく、皆さん自身もどんどん発信して、『共育』の場を一緒に楽しんでほしい」と新入社員に語りかけました。

続いて中村こずえ・代表理事が「社会人とは」をテーマに記念講演を行いました。講演の中では、新入社員同士が初対面のペアになり、1分間で相手の長所を見つけて伝え合うワークを実施。最初は緊張した面持ちだった会場も、次第に笑顔があふれる温かい雰囲気に変わっていきました。また、社会に出て役割を担う責任や自己管理の大切さ、マナーを積み重ねることで築かれる「信頼」についても丁寧に語られました。締めくくりには「今日家に帰ったら、まず周りの人への感謝を伝えてみてください」と、報連相と確認の実践を呼びかけました。

新入社員による「社会人宣言」では、1人1人が自分の言葉で決意を発表。「早く一人前になって信頼される社会人になりたい」「お客さまに心から幸せを感じていただける接客をしたい」など、力強い言葉が続きました。インドネシアやミャンマー出身の外国人社員も、日本語でしっかりと目標を宣言し、会場に大きな刺激を与えてくれました。

参加後のアンケートでは、新入社員から「社会人としての心構えや報連相の重要性を改めて学べた」「働くことへの不安が和らいだ」といった声が多く寄せられました。引率した会員や経営者からも「経営側として、社員が育ちやすい環境をつくる責任を改めて実感した」という感想があり、新入社員・経営者双方にとって充実した1日となりました。

「中小企業家しんぶん」 2026年 5月 5日号より