大卒初任給25万円以上が当たり前に

 日本経済新聞社が4月28日にまとめた採用計画調査(上場企業など主要企業5277社のうち2200社が回答)で、4月30日時点で掲載された企業のうち、初任給未記載分を除いた2177社を対象に、25年度実績のみで25万円未満の274社を除いた1903社について、26年度の大卒初任給を確認しました。

 大卒初任給の平均額は25年度比4・5%増の26万7220円となり、30年前には19万~20万円で推移していた初任給はこの3年で高騰し、過去最高を更新しました。

 10%以上増やす企業は149社で、比較可能な企業の1割を超えると日経は記載しています。

 また、26年に25万円未満の企業は396社でわずか21%に低下し、25万円以上の企業は1505社で79%を占めています。

 コロナ禍以降、賃上げが急速に進み、初任給も急騰してきました。25年春発表の25年度主要1686社では、25万円未満が605社、25万円以上が1081社で63%を占めていましたが、そこから16%も上昇しており、24年の36・1%から倍増したのに続く高い上昇率です。平均初任給も25年の25万4228円から1万3000円上昇しています。

 25年に30万円以上だった企業は152社でしたが、2026年度の大卒初任給を30万円以上とする企業は303社と倍増しています(日経は245社としていますが、年間給与記載分について14カ月分とみなし、350万円以上を25万円以上、420万円以上を30万円以上として数えた場合)。

 厳しい採用競争に加え、物価高も初任給や手当の増額に影響しているものと思われます。同業内でよく似た金額へと引き上げる動きも大きな傾向で、証券や保険業界では30万円以上が4割超となっています。

 また、人手不足が深刻な業種ほど引き上げのスピードは速く、建設やエレクトロニクスなどでは25万円以上が85%を超えています。このためだけではありませんが、固定残業代を初任給に組み込む企業も増えており、25万円以上の企業のうち17%に達しています。保険業界では50%以上が固定残業代込みであり、流通・外食や情報通信でも3割以上が固定残業を組み入れています。

 このまま上昇が続けば、中小企業は大卒採用が難しくなります。大幅引き上げには、賞与を基本給に組み入れる方法が一時的には可能ですが、持続的かつ正当な取り組みとしては、付加価値の高いものを販売していくしかありません。

「中小企業家しんぶん」 2026年 5月 25日号より