帝国データバンクが5月22日に発表した「2026年度の設備投資に関する企業の意識調査」によると、2026年度に設備投資を計画している企業は56・7%となり、前年の58・8%から2・1ポイント低下しました。3年連続の減少となっています。一方で、人手不足の深刻化やDXへの対応、生産性向上の必要性は高まっており、多くの企業が設備投資の重要性を認識しています。
今回の調査で特に注目したいのは、設備投資の資金調達方法です。最も多かったのは「自己資金」で58・3%を占め、「金融機関からの借り入れ」の26・6%を大きく上回りました。この結果は、設備投資を実現する上で、日頃から利益を確保し、内部に資金を蓄積しておくことの重要性を示しています。
また、設備投資を実施する目的を見ると、「設備の代替・更新」が59・0%で最も高くなっています。続いて「省力化・合理化」が26・5%、「DX推進」が22・7%、「IT化関連」が22・2%となりました。設備更新というと単なる維持管理のようにも見えますが、現在では人手不足への対応や生産性向上を実現するための重要な経営課題となっています。最新設備への更新は、省人化や省エネルギー化、品質向上にもつながり、企業の競争力を左右する要素なのです。
一方で、設備投資を行わない理由として最も多かったのは「先行きが見通せない」の50・2%でした。その背景を見ると、「借入負担が大きい」が14・6%、「手持ち現金が少ない」が14・0%、「設備投資コストの上昇」が13・6%となっており、資金面への不安が大きな要因となっています。
企業規模別に見ると、設備投資を計画している割合は大企業が70・7%であるのに対し、中小企業は54・3%、小規模企業は42・0%となっています。企業規模が小さくなるほど設備投資率が低くなっていることからも、設備投資の実行には財務基盤の強さが大きく影響していることがうかがえます。
設備投資は単なる機械や設備の購入ではありません。人手不足が深刻化し、デジタル化や生産性向上が求められる今日において、設備投資は企業の未来を切り開くための重要な経営戦略です。そして、その原資となるのが日々の経営によって生み出される利益の蓄積です。
今回の調査で、設備投資の資金調達方法として自己資金が58・3%と最も高かったことは、企業の将来への投資が、日頃からの付加価値創造と健全な財務基盤の上に成り立っていることを示しています。
同友会では、「人を生かす経営」を経営の根幹に据えています。社員1人1人の力を引き出し、働きがいのある職場をつくり、新たな価値を創造することで付加価値を高める。その成果として生まれた利益を、社員の成長や労働環境の改善、そして設備投資へとつなげていくことが、企業の持続的な発展につながります。厳しい経営環境の中だからこそ、付加価値を高める経営を追求し、利益を未来への投資へと循環させることが、これからの中小企業にますます求められているのではないでしょうか。
「中小企業家しんぶん」 2026年 6月 25日号より











