各同友会の代表理事による連載「代表理事に聞く」。今回は今村暢秀氏((株)世起代表取締役、愛媛同友会)の実践です。
愛媛同友会で新たに代表理事に就任いたしました、(株)世起の今村暢秀です。弊社は愛媛県松前町に拠点を置き、1970年の創業以来、観光地向けの土産用菓子製造から始まり、現在では「黒ごまきな粉げんこつ飴」「フルーツ味のもち菓子」などの製造・販売を手掛けており、日本国内、海外へと販路を広げています。「日本のお菓子文化を伝承発展させる」という経営理念のもと、全社員が一丸となって日々業務にまい進しています。
このたび、代表理事という大役を仰せつかり、自身の経営の原点と同友会での歩みを振り返りました。私が25歳で入社した直後、バブル崩壊によって業績は右肩下がりとなり、一時は倒産の危機に直面しました。その後、事業を製造業に特化する構造転換で財務的な窮地は脱したものの、当時の私は「社員が定着しない」という深刻な経営課題を抱えていました。「辞めればまた新たに入れればいい」という旧来の価値観と決別できず、明確な教育体制もないまま新たに社員が入っても次々と去っていく状況に、ただ悩み続ける日々でした。
地元の経営者の先輩から同友会を紹介していただき2005年に入会したことが、私の経営における最大の転換点となりました。経営指針成文化セミナーを受講して自社の存在意義に向き合い、同時に先輩から「社員と共に学ぶ」という心強い助言をいただき実践しました。社員を誘って同友会大学に参加すると、最初は戸惑っていた社員も、他社の方と対等に交わる中で自信をつけ、やがて別の社員を学びに誘うようになりました。経営者と社員の心の壁が取り払われ、社内に自発的な「学びの連鎖」が生まれたのです。
その後、先輩が新人をマンツーマンで支えるブラザーシスター制度も導入し、「2人で1人分の仕事でいい」と決め、新人が自信をもって自立できるまで共に関わるようになりました。同友会の学びを素直に実践し、「社員が成長してこそ、会社も共に成長する」という真理を、身をもって体験しました。今の自社があるのは、進むべき正しい道を照らしてくれた同友会と諸先輩方のおかげであり、深く感謝しています。
いま愛媛同友会では、新たな10年ビジョンとして「四国一の同友会になる!」を掲げ、オンリーワンの姿をめざして活動しています。
先人たちが築き上げた「人を生かす経営」の理念は不変です。この本質的な価値を胸に深く刻み、変化を恐れず進化を続けてまいります。全国の新代表理事の皆さま、そしてすべての会員の皆さまと共に、学びと交流を通じた元気な企業づくり、地域づくりに全力でまい進していく所存です。共に次代を切り拓いていきましょう。
会社概要
設立:1970年
資本金:1,000万円
従業員数:54名
事業内容:菓子製造業
URL:https://www.seiki-net.co.jp/
「中小企業家しんぶん」 2026年 7月 15日号より










