経済界や労働界、地方自治体、学識者、若者世代で構成される「未来を選択する会議」は、民間初の「人口問題白書」と緊急提言を3月に公表しました。白書では、人口問題への取り組みとして、「政策リンケージ(分野横断的な連携)の構築と実行が鍵であり、その舞台は地域」、「政府や自治体と共に企業・地域・学校と連携してぶれずに取り組む」、「国民への分かりやすい発信」の3つの基本方針を示しています。また、検討課題の第1に非正規労働者の正規化の推進を掲げています。その他の検討課題においても、人への投資や、地域が主体となった政策リンケージの構築など、同友会の進める新たなステージの方向とも重なるものが多く含まれます。
白書では、政府や民間団体などの取り組みとともに関連するデータが多く記載されていますので、一部を紹介します。
少子化の最大の原因が非正規の増加と言われています。それを裏付けるのが男性の雇用形態別有配偶者割合(表1)です。配偶者がいる割合は25~29歳で2・3倍、30~34歳では2・6倍と、正規労働者が非正規より2倍以上高くなっています。特に、複数の子どもを持つ可能性が高い20~24歳では3倍の差があります。
また、非正規の中でパート・アルバイトの場合はさらに深刻であり、正規労働者と比較し4倍近い差となっています。非正規をなくすことが少子化を止める重要な鍵の1つであると言えるのではないでしょうか。

理想の子ども数を持たない理由について、配偶者のいる35歳未満の女性に聞いた調査(表2)では、回答者の77%が「子育てや教育にお金がかかるから」と答えています。日本では、高校までの教育無償化がようやく実現しましたが、欧州諸国のように大学までの無償化が求められます。

そして、日本の未来を支えるためには少子化対策が必要ですが、アンケート結果を見ると(表3)、少子化対策の主体者として「重要である」と回答した割合は、国(政府)や地方自治体、家族・親戚、地域・コミュニティと同様に、企業についても、20代を除く年代で8割を超えています。韓国では、富栄グループが出産祝い金として子ども1人あたり1億ウォン、2年間で総額134億ウォンを支給した事例があります。企業が少子化対策に取り組む主体者になることの重要性は高まってきていると考えられます。白書は以下をご参照ください。

https://iroiromirai.jp/news-20260327-002/
「中小企業家しんぶん」 2026年 7月 25日号より










