6月10日、中小企業魅力発信月間キックオフ行事がオンラインを併設して都内で開催され、約300名が参加しました。特集では、来賓・中小企業団体・労働団体からのあいさつなどを紹介します。
主催者あいさつ
中同協 会長 広浜 泰久氏
本日は多くの方にご参加いただきありがとうございます。ご来賓をはじめ中小企業団体・労働団体の皆さま、各政党の皆さまからもごあいさつをいただきます。
誠にありがとうございます。
このキックオフ行事は、コロナ禍以降はオンラインで開催してきましたが、今回は対面会場とオンラインのハイブリッド開催としており、サテライト会場を設置している同友会もあります。取り組む意義は大きく3つです。1つは、中小企業家であること、そして中小企業で働くことに誇りを持てるようにすること。2つ目に、広く国民の皆さまに中小企業の役割と重要性を確認していただく機会とすること。最後に、どんなに頑張っても報われない厳しい経営環境を改善するきっかけとすることです。
特に今年は、地域の担い手は中小企業であることに焦点を当てています。第2部のシンポジウムでは、基調講演と事例報告から中小企業振興基本条例の活用や地域づくりの取り組みをご報告いただきますので、その後のグループ交流でも学びを深めてほしいと思います。地域づくりを共に学び合い、連携を強める機会としていきましょう。
来賓あいさつ
中小企業庁 長官 山下 隆一氏
昨年に引き続きキックオフ行事にお招きいただき、ありがとうございます。中東情勢に起因する物資の目詰まりや物価上昇、構造化する人手不足などが深刻度を増す中、皆さま方はこうした課題に対応されているところかと存じます。一方で、長年のデフレ経済から脱却し、成長経済に移行していく非常に重要なポイントにあると思っております。
連合の発表によりますと、昨年に引き続き高い水準で賃上げが進んでいると承知しています。持続的かつ安定的な物価上昇の下で実質賃金の上昇を定着させ、国民の所得増加と経済全体の高付加価値化・労働生産性の向上を図っていくことが極めて重要です。
そのためには、政府としても適切な価格転嫁を実現していくことが非常に重要で、同時に中小・小規模事業者の皆さま方の生産性向上に向けた取り組みや、経営基盤強化を図るためのM&Aや事業承継などの取り組みを全力で後押ししていきます。引き続き「稼ぐ力」の強化と賃上げの好循環をめざしていくことが必要です。加えて、デフレ経済から成長経済に移行していくためには、担い手が極めて重要です。企業においても、現状維持型ではなく挑戦型に転換し、経営者の決断の下で成長投資や事業再構築、事業再編などに積極的に取り組み、AXなども積極的に活用して会社を変革していく必要があると思います。
その主役となるのは、会社を変革できるガバナンス力のある中小企業の経営者の皆さま、そして皆さまと一緒に働く社員の皆さまが中核だと思います。経営者の成長意欲、変革への強いエネルギーこそがこの国の経済を支えていきます。本日ご参加の皆さまこそが、まさに主役だろうと思います。
中小企業庁として皆さまの取り組みを全力で支援していくことをお誓い申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。本日はおめでとうございます。
来賓あいさつ
中小企業基盤整備機構 理事長 宮川 正氏
このたびは、「中小企業魅力発信月間キックオフ行事」のご開催、誠におめでとうございます。
中小企業は、地域経済や雇用を支える重要な存在であり、日々の事業活動を通じて、地域社会の持続的な発展に大きく貢献しておられます。私自身、経営者の皆さまと直接お話しする中で、その知恵や創意工夫、地域への強い思いに、改めて敬意を抱いております。
さて、昨今の中小企業を取り巻く環境は、人手不足や原材料価格の上昇、価格転嫁の難しさなど、依然として厳しい状況が続いております。加えて、昨今の中東情勢をはじめとした国内外の経済情勢や政策動向の変化など、先行きの見通しが難しい局面も見受けられます。
こうした状況を踏まえ、中小機構では、事業や生産計画の見直しなどの課題解決に向けた相談窓口のほか、省力化や生産性向上、価格転嫁などの無料診断、国や都道府県等の補助金やセミナーの情報を一元的に提供する「中東情勢に関する支援情報ポータルサイト」を6月4日に開設いたしました。あわせて、中東情勢に伴うお困りごとに専門家が無料で相談に対応する特別相談窓口も設けております。
このような外部環境の変化により、皆さまの経営課題は、新市場開拓、人材確保・育成、円滑な事業承継、物価高や円安への備えと賃上げの実現、さらにはGX・SDGs・ウェルビーイングといった社会課題への対応など、ますます高度化・複雑化してきているものと存じます。
中小企業家同友会におかれましては、「自主・民主・連帯」の精神のもと、こうしたさまざまな経営課題を克服するために、中小企業経営者の方々が学び合い、交流を深められる土壌を全国47都道府県に整えておられると伺っております。
中小機構といたしましても、中小企業の皆さまが地域に根差し、持続的に発展していくための支援を、中小企業庁や関係機関の皆さまと連携しながら、皆さまの「攻めの経営」を後押しして参ります。経営に関してお困りごとがございましたら、私どもの地域本部やよろず支援拠点などの支援機関へお気軽にご相談ください。
結びに、本日のシンポジウムが実り多いものとなりますこと、そして中小企業家同友会並びに会員の皆さまの今後ますますのご発展と、ご参集の皆さまのご健勝を心より祈念いたしまして、私からのごあいさつとさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
中小企業団体あいさつ
日本商工会議所 中小企業振興部副部長 大島 昌彦氏
「中小企業魅力発信月間キックオフ行事」のご盛会、誠におめでとうございます。
企業の99・7%、雇用の7割(地方部では約9割)を占める「中小企業の魅力」を社会に向けて力強く発信することは、中小企業の活力強化、そしてわが国経済の発展に向けて、極めて意義のあることだと存じます。
現在、中小企業・小規模事業者を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。
構造的な人手不足や賃上げに伴う労務費の増加、物価高の長期化に加え、中東情勢の不安定化によるエネルギー価格や原材料価格の上昇など、中小企業経営を取り巻く不確実性は高まっています。とりわけ小規模事業者においては、価格転嫁や人材確保に苦慮するなど、厳しい経営環境が続いています。
一方で、こうした時代であるからこそ、中小企業が有する技術力や創意工夫、地域との強固なつながりといった強みが改めて注目されています。政府においても、本年、中小企業等に関する稼ぐ力強化戦略が取りまとめられ、付加価値向上や成長投資の促進を通じた中小企業の成長力強化が進められています。持続的な成長を実現するためには、1社1社が自己変革に挑み、「稼ぐ力」を高めていくことが重要です。
また、中小企業には、大企業にはない魅力があります。経営者や顧客との距離が近く、自らの仕事を通じて地域や社会への貢献を実感できることに加え、1人1人の挑戦や成長が企業の発展に直結する環境があります。若者や女性、シニアをはじめ、多様な人材が活躍できる場としての期待も一層高まっています。
日本商工会議所は、全国516商工会議所と共に、販路開拓、事業承継、人材確保・育成、AX・GXへの対応、イノベーション創出など、多様な経営課題に対する伴走支援を通じて、中小企業・小規模事業者の挑戦を後押ししてまいります。また、必要な税制支援の拡充や、価格転嫁の定着、成長投資の促進、人材確保支援など、中小企業の挑戦を後押しできる環境整備についても積極的に取り組んでまいります。
本月間を通じて、中小企業・小規模事業者が持つ技術力や成長力のみならず、地域を支え、人々の暮らしを豊かにする存在としての価値と魅力が広く発信されることを期待しています。そして、多くの方々が中小企業への理解を深め、地域の未来を担う人材がその活躍の場として関心を寄せる契機となることを願っております。
私たちも中小企業の応援団として、皆さまと共に「地域で稼ぎ、地域に還元する」持続的な好循環の実現に向け、全力を尽くしてまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。本日は誠におめでとうございます。
中小企業団体あいさつ
全国商工会連合会 産業政策部 産業政策課長 吉井 裕之氏
本日は、「中小企業魅力発信月間キックオフ行事」が盛大に開催されますことを、心よりお慶び申し上げます。
足元では中東情勢の影響によるエネルギー価格の上昇が見られるなど、外部環境の不確実性は依然として高い状況となっています。
また、円安や物価高の継続、構造的な人手不足も相まって、中小企業・小規模事業者を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況にあります。
特に、商工会が支援している地域の小規模事業者においては、最低賃金の引き上げへの対応が求められる中、賃上げの原資確保が大きな課題となっています。
加えて、エネルギーコストの上昇等の影響を価格転嫁に十分反映できず、厳しい経営を余儀なくされている事業者も少なくありません。
一方で、このような厳しい経営環境の中にあっても、多くの事業者が賃上げに取り組んでいます。
しかし、その多くは十分な収益改善を伴うものとは言い難く、事業規模による対応力の差も見られる中で、大きな負担を抱えながら対応している状況が見られます。
持続的な賃上げを実現するためには、適切な価格転嫁の推進と取引環境の整備が重要であると考えています。
こうした環境の中で、「中小企業の魅力発信」は大変意義のある取り組みであると考えています。自社の強みや価値を見つめ直し、それらを内外に的確に発信することは、人材の確保や取り引きの拡大、新たな事業機会の創出につながります。
また、魅力発信と併せて経営力の向上と自律的な成長を図り、AIの活用や省力化の取り組みを進めながら、それぞれの企業が「稼ぐ力」を高めていくことが必要であると考えています。
商工会といたしましても、中小企業・小規模事業者の皆さまに最も身近な支援機関として、それぞれの経営課題に応じた支援に取り組むとともに、各種支援施策の活用につなげながら、伴走支援を通じてその実現を後押ししてまいります。
本日のキックオフ行事が、中小企業の魅力発信をさらに広げるとともに、関係機関の連携を一層深め、それぞれの企業の成長につながる契機となることを期待しています。
中小企業団体あいさつ
全国中小企業団体中央会 事務局長 田上 宏運氏
本日は、「中小企業魅力発信月間キックオフ行事」の開催、心よりお祝い申し上げます。
貴協議会におかれましては、国民、地域と共に歩む中小企業、並びに変化の時代に対応できる経営体質、経営力の向上をめざす運動に取り組み、今回のキックオフ行事も、大変有意義であると私ども中央会も考えております。
今回の行事のテーマでもあります「憲章・条例の活用」につきましては、中小企業憲章の基本原則の中に、「経営資源の確保が特に困難であることの多い小規模企業に配意する。中小企業組合、業種間連携などの取組を支援し、力の発揮を増幅する」と定められております。
中小企業組合の支援、企業間・業種間連携の推進を支援している私ども中央会といたしましては、中小企業組合、および連携組織を通じて、個々の中小企業の力が増幅するなど、中小企業憲章の原則がきちんと守られるよう、さまざまな活動をしております。
特に、地域、人手不足の対応には、地域の中小企業者の存続ために人材を派遣する「特定地域づくり組合」の設立、運営支援を行っております。
また、中小企業者の生産性向上を図る従前の「ものづくり補助金」に加えまして、新たに昨年度の補正予算により制度化された「新ものづくり補助金」による 新分野、新事業進出への支援、さらに人手不足を解消するための「省力化投資補助金」の事務局を担っております。
それらの補助金事業の展開による支援のほか、価格転嫁対策、特に官公需の改善措置が図られ、地域中小企業の皆さまが力強く成長し、経済的地位の向上、社会的地位の向上につながるよう貴協議会と引き続き協力・連携して励む所存でございます。
結びに本キックオフ行事を通じて、ご出席されておられます中小企業の皆さまお一人お一人が、持続可能な社会・地域の担い手である自らの魅力と意義を改めてご実感していただく機会となりますことを心よりご祈念申し上げ、あいさつとさせていただきます。
労働団体あいさつ
日本労働組合総連合会 事務局長 神保 政史氏
本日は、中小企業魅力発信月間キックオフ行事が盛大に開催されますことを、心からお祝い申し上げます。
さて、毎年行っている中同協との意見交換について、今年は3月24日に開催いたしました。事前に共同談話の準備を進め、両組織で地方に展開させていただいたことに、改めてお礼を申し上げます。
連合の運動方針には、「中小企業の経営基盤の強化と地域社会の活性化をはかるため、(~中略~)中小企業振興基本条例の制定に向けた取り組みをより一層強化する」と掲げております。地方連合会では、市長に対する振興条例制定を求める要請行動や組織内議員との連携を通じて条例制定に至った事例、振興会議等に委員として参画し条例制定に至った事例、制定された条例に労働組合の役割が明記された事例、などが報告されています。中小企業の振興にとどまらず、まちづくり、人づくり、ひいては人・地域の活性化など、将来を見据えた視点を持って取り組んでまいります。
次に、2026春季生活闘争についてです。5月12日の第5回集計結果において、労働組合全体で5・05%の賃上げ率でした。「賃上げがあたりまえの社会」を実現する正念場であるとの共通認識のもと、組合員の生活の安心・安定と企業の持続的成長、日本全体の生産性向上につながる「人への投資」の重要性について、粘り強く真摯(しんし)に交渉した結果と受け止めています。
賃上げの流れを、中小企業を含めた日本全体に波及させるためには、共同談話でも取り上げた価格転嫁・適正取引の取り組みのさらなる推進が必要です。1月1日に施行された中小受託取引適正化法(取適法)の現場への浸透とさらなる活用に向けて取り組みを進めてまいります。連合は、中小企業の経営基盤の強化と地域の活性化に向けて、「笑顔と元気のプラットフォーム」を展開しており、今後も継続して取り組んでまいります。
本日のキックオフ行事を通して、中同協をはじめ日本全体の中小・小規模事業者の皆さまが、ますます発展されることをご祈念申し上げ、あいさつに代えさせていただきます。
労働団体あいさつ
全国労働組合総連合 議長 秋山 正臣氏
7月の中小企業魅力発信月間に向け、中小企業家同友会全国協議会の皆さんが本日、キックオフ行事を開催されたことに、全労連を代表して一言ご祝辞を申し上げます。
初めに、中同協に参加されている経営者の皆さまが、社員と共に経営指針づくりを進められるなど、日々努力を積み重ねておられることに、深く敬意を表します。また、最低賃金の引き上げなど全労連の取り組みに多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。
さて、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡の封鎖により、各地でさまざまな影響が出ていることが報道されています。とりわけ、ナフサを原料とする製品の入荷が不安定となり、納期の延期や販売中止など、私たちの暮らしに暗い影を落としています。
戦争は、日常生活を困難にさせ、社会を不安定化させるものであり、絶対に始めてはならないものだと思います。戦争や紛争のない世界を求め、日本政府を始め各国の指導者の皆さんに、対話で解決を図るよう強く求めたいと思います。
労働組合に組織されている労働者は16%と、大多数の労働者が労働組合に組織されていません。中小企業では、経営者と労働者の距離が近いため、労働組合が組織されていない場合が多いですが、労働者の間で情報交換ができる場となる労働組合が必要だと思っております。
全労連は、中小零細企業単位での労働組合ではなく、地域を単位とする労働組合を積極的に組織し、労働者の間で業種や職種を越えた交流が図れる場を提供しています。
また、最低賃金制度の全国一律化と、大幅引き上げを運動の中心に据えて取り組んでいます。この問題では、これからも皆さんと意見交換を行いたいと思っています。
全労連は、気候危機の打開に向け、地域循環型経済を中心にした社会をめざしています。
その中で、持続可能な地域社会の担い手として、中同協の皆さまが大きな役割を果たしていただくことを期待しています。
最後に、ご参加の皆さまのますますのご隆盛とご発展を祈念し、キックオフ集会のご盛会をお祝い申し上げます。
「中小企業家しんぶん」 2026年 8月 5日号より










